1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
河野 博之 愛媛大学, 理学部, 教授 (50006144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 潔 日立製作所, 日立研究所, 主任研究員
笹尾 真実子 核融合科学研究所, 助教授 (00144171)
和田 元 同志社大学, 工学部, 教授 (30201263)
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Keywords | 負イオン源 / 水素負イオン / 塩型水素化物 / 熱電子放射 / 仕事関数 / 離脱エネルギー / エネルギーサイクル |
Research Abstract |
標記の研究課題を、次の要領で推進した。1.固体試料用の負イオン源を設計・試作して、手許の質量分析計に装着して予備実験を行ない、更に、改良や調整を行なった。また、作動条件の選定法についても吟味・検討を行なった。2.塩型水素化物(CHやSrH_2など)について、本格的な測定実験の結果、比較的低温(700〜800K程度)でもH^-が放射され、質量分析後でも約10^<-11>のH^-が得られており、また、比較的安定(変動率は5時間で3%以内)であった。3.H^<-1>と共に、熱電子も放射(10^<-5>A程度)されることが判った。4.各放射量の温度依存性からH^-の脱エネルギー(E^-)と仕事関数(φ)を求めたところ、LiHではE^-=5.1eV、φ=3.1eVであった。5.熱化学データ表にもとづいて、エネルギーサイクルよりE^--φの理論値を求めたところ、約2.3eVとなり、前記の実験値と比較的良好な一致が見られた。6.CaH_2やSrH_2についても、同様な結果が得られ、H^-放射に関する我々の簡易なモデルが妥当であることを示した。7.以上の研究成果は、第14回化学熱力学国際会議(大阪)や、第18回電離気体物理学国際会議(於ユ-ゴスラビア)などで公表しており、それらの講演内容は、現在印刷中である。 なお、我々の負イオン源に対する内外の関心は非常に強く、フィリピンやユ-ゴスラビアの招待講演に引続いて、東京でも応用物理学会の招待講演として紹介の予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Kawano: "Negative hydrogen ion emission from heated metal hydride powder" Rev.Sci.Instrum.67・3. 1190-1192 (1996)
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[Publications] H.Kawano: "Desorption energy of H^- from heated Saline hydrides and their work function effective for thermal electron emission" Thermochim.Acta. (印刷中).
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[Publications] H.Kawano: "Ion desorption from solid surfaces" Proc.18th Symp.Physics of Ionized Gasses,Kotor,Yugoslavia,1996. (印刷中).
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[Publications] H.Kawano: "Development of compact negative ion source for solid samples" Proc.2nd Symp.Negative Ion Sources and Their Applications,NIFS,Toki,1996. (印刷中).
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[Publications] 河野博之: "熱脱離法による負イオンの生成" 第44回応用物理学関係連合講演会要旨集(1997年3月、東京). (印刷中).