1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555104
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
得永 嘉昭 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00072174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南出 章幸 金沢工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (20259849)
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Keywords | 光音響顕微鏡システム / 携帯型 / PVDFセンサー / 拡張同時多周波数計測法 / FFT / 光音響信号 |
Research Abstract |
1)PVDF膜センサーを使う“ダイレクトセンシング法"の信号解析のモデルについて検討した。実験に使用する変調周波数が低いことを考慮し、多層構造試料の熱波の伝搬の理論を基礎として解析を行った。黒鉛試料の光音響信号の周波数依存性を求めた結果、シミュレーション値と実験値が一致した。これより、提案したモデルが妥当であると思われる。 2)光源とセンサーを一体化できる可能性のある新しい“光透過型PVDF焦電センサー"と“光透過型PVDF圧電センサー"を考案した。黒鉛試料の光音響信号を測定した結果、両センサーとも試料の熱的情報らしきものが観測されたことより、本センサーが使えそうであることを示した。 3)測定装置の簡略化、測定時間の短縮化および観測信号のS/N比の向上を目的として新しい計測法である“拡張同時多周波数計測法"を提案した。本方法は黒鉛の光音響信号が1/f依存性に従い高周波成分ほど減衰することを考慮し、変調レーザ光波形の周波数成分にあらかじめf依存性を持たせるものである。本方法の計測手法を以下に示す。f依存性を持たせたパルス列を逆FFTにより合成波を作成、これをAOモジュレータのアナログドライバに入力して変調光を作成する。試料から得られた光音響信号波形をBoxcar積分器で測定し、パソコンに入力後FFTで各周波数成分を求める。このため、1回の測定で多周波数成分の情報を得ることができるため、測定時間を大幅に短縮できる。 4)拡張同時多周波数計測法を用いることにより、同時多周波数計測法を用いた場合よりも100Hz成分の光音響信号振幅のS/N比が5dB改善できることを明らかにした。さらに拡張同時多周波数計測法では、従来のLock-inアンプを使う計測に比べて計測時間を56%程度短縮できることを明らかにした。さらにBoxcar積分器を使えば、完全自動計測ができることも示した。
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[Publications] 南出章幸: "光音響顕微鏡システムの進化への取り組みとその材料評価への検討" 日本学術振興会弾性波素子第150委員会第53回研究会. 1-6 (1997)
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[Publications] 南出章幸: "光音響顕微鏡用センサーの研究" 日本学術振興会弾性波素子第150委員会第53回研究会. 109-112 (1998)
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[Publications] 南出章幸: "PVDF膜センサーによる不透明材料の光音響信号の測定" 第18回超音波シンポジウム. 161-162 (1997)
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[Publications] A.Minamide: "Research and Development of Photoacoustic Microscop System" World Congress on Ultrasonics. 34-35 (1997)