1998 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃的地震力に対するラバークッションを用いた落橋防止装置の開発に関する研究
Project/Area Number |
08555116
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
彦坂 煕 九州大学, 工学部, 教授 (10037864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 信康 シバタ工業株式会社, 研究員
石川 信隆 防衛大学校, 教授
園田 佳巨 九州大学, 工学部, 助教授 (40304737)
|
Keywords | 落橋防止装置 / ゴム緩衝ピン / 衝撃緩衝効果 |
Research Abstract |
本研究は、ゴムが緩衝材として有効な性能を持つことに着目し、落橋防止連結板装置に積層繊維ゴムを巻いた緩衝ピンを用いることを提案し、耐震性能の改善を図ったものである。本年度は、これまでに行った一連の静的・衝撃実験の成果をまとめるとともに、衝撃緩衝効果について数値解析による検証も行った。その成果は以下のとおりである。 〈実験による成果〉 静的力学特性: ゴム緩衝ピンは、ゴム自体の変形にともなう荷重分散効果があり、ピンと連結板の接触部近傍における応力集中の緩和に効果が見られ、従来の弾性設計で考慮していた支圧応力は約30%低減することが明らかとなった。ゴム緩衝ピンは、全径を同一とした従来の鋼製ピンと比べ、終局耐力は小さくなる反面、終局変位については大きくなることにより、限界吸収エネルギーに関しては約20%大きくなることが認められた。 衝撃緩衝効果: ゴム緩衝ピンの衝撃緩衝効果は大きく、連結板の応答ひずみを最大1/3程度まで低減可能であることが確認された。また、連結板に塑性ひずみが発生する弾性限界エネルギーもゴム緩衝ピンの方が5倍程度大きくなることが明らかとなった。 〈数値解析による成果〉 緩衝ピンで用いる積層繊維ゴムの力学特性は、繊維ゴムの単軸引張試験結果をもとに決定した超弾性体モデルで評価することが可能である(適用限界は30%程度のひずみ域)。 すなわち、超弾性モデルによりゴム緩衝ピンを用いた連結板の静的荷重-変位関係を良好にシミュレートすることができ、応力集中の緩和効果についても実験と同様の結果が得られた。また、衝撃緩衝効果についても数値解析により、連結板内の応答ひずみを1/3程度に著しく低減できる等の実験結果と同様の特性が確認され、ゴム緩衝ピンが連結板に対する緩衝材として有効に機能していることが確認された。
|
-
[Publications] 園田佳巨: "ゴム緩衝ピンを用いた落橋防止連結板の静的および動的応答特性に関する実験的考察" 土木学会論文集. No.598/I・44. 333-376 (1998)
-
[Publications] 衛藤芳昭: "ゴム緩衝ピンを用いた落橋防止連結装置の耐震性能に関する研究" 第4回構造物の衝撃問題に関するシンポジウム論文集. 33-38 (1998)
-
[Publications] 園田佳巨: "ゴム緩衝ピンを用いた落橋防止連結板の静的弾性および衝撃弾性応答特性に関する衝析的研究" 構造工学論文集. Vol.45A(印刷中). (1999)
-
[Publications] 園田佳巨: "Effect of Robber-Rolled Pin on the Bridge Restrainer Plate System under the Dynamic Loading" Proceedings of 12^<th> ASCE Engineering Mechanics Division Conference. 426-429 (1998)