1997 Fiscal Year Annual Research Report
各種擁壁構造物の耐震性の合理的評価手法に関する研究
Project/Area Number |
08555119
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 博史 建設省土木研究所, 材料施工部土質研究質, 室長
館山 勝 (財)鉄道総合技術研究所, 技術開発事業本部, 主任技師
村田 修 (財)鉄道総合技術研究所, 技術開発事業本部, 計画担当主幹
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・光学系研究科, 教授 (70111565)
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Keywords | 擁壁 / 補強土 / 耐震設計 / 逆解析 / 模型実験 / 土圧 / 震度法 / 兵庫県南部地震 |
Research Abstract |
前年度に引続いて、各種の擁壁模型の水平加振および傾斜実験を実施した。その結果、補強材の一部を延長した補強土擁壁を除く各擁壁模型では、裏込め地盤中に単一のすべり面が生じることを示した。これが水平面となす角度の実測値は、ピーク強度を用いた物部・岡部式で得られる計算値と比較した場合、傾斜実験ではおおむね一致したが、水平加振実験では実測値のほうが大きかった。 さらに、上記の現象が、最初に形成されたすべり面上でのせん断抵抗が急速にピーク強度から残留強度まで低下すると考えられることにより説明できる可能性があることを示し、この考えに基づいた地震時主働土圧の試算を、物部・岡部式と同じ震度法および極限釣り合い法の枠組みのなかで行った。その結果、1次主働破壊により裏込め土中に形成されたすべり面が、2次主働破壊によってこれよりも傾斜のゆるやかなすべり面が形成されるまで、地震荷重が増加する過程での主働土圧の発現機構を支配することを示した。 以上の検討成果に基づいて、大きな地震荷重下においても地震時主働土圧を評価できる手法を提案した。物部・岡部式で残留強度を用いた場合には、水平震度が大きくなると主働土圧を計算できなくなるが、提案手法では、裏込め土の締固め程度の違いを反映した形で、このような場合にも合理的な土圧係数を算定することができ、また、物部・岡部式を用いた場合よりも裏込め土中の破壊領域が小さくなり、水平震度が大きい場合でも妥当な大きさの破壊領域を与えるという利点を有する。この手法を、補強土擁壁の安定計算で用いられている2くさび法に適用した試算も実施した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tatsuoka,F.ほか: "Geosynthetic-Reinforced Soil Retaining Walls as Important Permanent Structures" Geosynthetics International. Vol.4,No.2. 81-136 (1997)
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[Publications] Tatsuoka,F.ほか: "Performance of reinforced soil structures during the 1995 Hyogo-ken Nanbu earthquake" Proc.of International Symposium on Earth Reinforcement. Vol.2. 973-1008 (1997)
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[Publications] Tatsuoka,F.ほか: "Seismic stability against high seismic loads of geosynthetic-reinforged soil retaining structures" Proc.of 6th International Conference on Geosynthetics. (発表予定).
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[Publications] Koseki,J.ほか: "Shaking and tilt table tests of geosynthetic-reinforced soil and conventional-type retaining walls" Geosynthetic International. (発表予定).
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[Publications] Koseki,J.ほか: "A modified procedure to evaluate active earth pressure at high seismic loads" Soils and Foundations. (発表予定).