1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 試験 |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川上 浩 信州大学, 工学部, 教授 (00020967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅崎 健夫 信州大学, 工学部, 助教授 (50193933)
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Keywords | サクション / 斜面安定 / ジオメンブレン / 毛管張力 |
Research Abstract |
晴天時には斜面内には負の間隙水圧(サクション)が発生して斜面は安定しているが、降雨時には間隙水圧が正に転じ,斜面の安定性が失われる.この斜面崩壊のメカニズムを利用して,斜面内に毛管脱水能力を備えた排水パイプまたは人工布を埋設して,降雨時にも斜面内に負の間隙水圧を残存させ,斜面の安定化をはかることを検討している. 地盤中に埋設する布として,毛管上昇高さ1m以上の布を必要とするので,多数の市販の土木工事用不織布について毛管張力試験を実施したが,市販の材料では透水性が過大で目的に適う材料は見当たらない.通常のものは,毛管上昇高さ20cm程度であり満足できるものではない.しかし,一部繊維密度のたかいもので,これを複数枚重ねて加圧加工すれば使用できるものがある事を確認した.これを簡単に工場製品化できるかどうかが今後の進展の鍵である.また,人工布の間に吸湿能力の高いゼラチン系の材料を挟むことを検討した実験では,毛管張力は上昇するが透水係数が極端に低下する.このため脱水効果が上がらない不利点が生じる. 一方,地盤中に埋設した布の一端は,蒸発乾燥装置に結合することにより,連続的に斜面内より脱水することができる.降雨時にぬれず,晴天時乾燥が進行する機能を持つ簡便な乾燥装置をつくることる事が第2の課題である.試作品は完成したが,なお効率の高いものにするよう改良を計り,現場での実用試験を実施することが必要である.
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