1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉國 洋 広島工業大学, 工学部・土木工学科, 教授 (90034339)
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Keywords | 圧密試験 / CRS圧密試験 / 汎用圧密試験 / クリープ試験 / 有効応力緩和試験 / 透水試験 |
Research Abstract |
せん断試験や透水試験などの要素試験と異なり、圧密試験は模型実験として企画され、解析理論と一対で存在する。標準圧密試験はTerzaghi理論のための試験であって、より高度な理論による解析には適用できない。換言すれば、個々の解析理論に固有の圧密試験が必要である。そのため、一つの解析対象に複数の解析理論の適用は実質的に困難であり、これが圧密解析の高度化の重大な障害であると考える。この問題を解決するためには、圧密試験を模型実験としてではなく、透水特性や変形特性を求めるための一連の要素試験として行う必要がある。そして、それらの試験結果の取捨と解釈によって、目的に応じた複数の圧密解析が可能になれば、理想的である。 この研究では、圧密解析に関連した試験法の中から幾つかを拾い出し、弾性、弾粘塑性および弾粘性解析に共通的または段階的に必要な一連の試験法を提案することが目的である。そのためにつぎの3つの問題を検討した。 第1の問題は、CRS(定ひずみ速度)圧密試験と標準圧密試験の圧縮曲線の関係を明らかにすることである。前者の圧縮曲線は基本的に時間依存性なので、これを弾性圧密解析に適用するにはクリープまたは有効応力緩和特性をパラメータにした調整が必要である。その調整方法理論的に検討し、実験的に確かめる作業を行った。 第2の問題は、粘土の時間依存性、つまり粘性挙動の把握にクリープ試験と応力緩和試験いずれが適切かの確認することであり、CRS圧密試験の中に有効応力緩和試験とクリープ試験を組み込んだ試験を行った。そして、両者の内のいずれを採用するのが適切であるか、あるいは両者ともに行う必要があるかを検討した。 第3の問題は粘土の透水試験の問題である。現在では、CRS圧密試験で圧縮曲線と同時に透水特性がもとめられ、きわめて便利である。しかし、CRS圧密試験で求めたものは透水係数なのか一抹の疑念もある。CRS圧密試験で求めた透水係数とひずみ速度の関係を理論的および実験的に検討した。 これら3つの問題についての結論は次年度に先送りしたい。
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[Publications] 吉國洋、村上公亮: "不撹乱粘土のクリープおよび応力緩和挙動" 第48回土木学会中国支部研究発表会概要集. 48. 275-276 (1996)
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[Publications] 吉國洋、村上公亮: "CRS試験での粘土の断念性特性を求めるための基礎的研究" 第31回地盤工学研究発表会概要集. 31. 565-566 (1996)
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[Publications] 吉國洋、村上公亮、相原一夫: "CRS試験によって圧密定数を決定するための基礎的研究" 第32回地盤工学研究発表会投稿. 32. (1997)