1996 Fiscal Year Annual Research Report
GISを利用した土壌・地下水汚染ポテンシャルマップ作製に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08555139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (40182852)
堀内 将人 京都大学, 工学研究科, 助手 (00157059)
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Keywords | GIS / 地下水汚染ポテンシャルマップ / 数値地図データ / 揚水影響 / 河川浸透水 / 数値シミュレーション / 地下水質推定 / 環境影響評価 |
Research Abstract |
本研究ではまず、米国などにおいて地下水保全のために利用されている、各種数値地理情報を用いたvulnerability mapの例を文献サーベイし、我が国においてもこのような地図の整備が必要であることを確認した。次に現在国内においてフロッピ-ディスクやCDの形で市販されているいくつかの数値地図データと数値シミュレーションを用いて地下水汚染ポテンシャルマップの作製を試みた。ここで言う地下水汚染ポテンシャルマップとは、様々な地理地質情報から地下水の脆弱性を求めるvulnerability mapにとどまらず、これらの情報にさらに揚水などの人間活動の影響を明確に導入した、地下水汚染の可能性の強さを示す地図と考えている。まず京都市桂川右岸部を対象として、様々な実測データと数値地図データとを比較することにより、数値地図データのみから推定した各種パラメーター値を用いてもある程度の地下水流れのシミュレーションが可能であることを示した。さらに領域内で新規に単位量の揚水があった場合に、地下水質が悪化する可能性の強さを表す地下水汚染ポテンシャルの作製を行った。その結果、桂川近くに新規に揚水量を増やした場合に地下水質が悪化しやすいことを示す地図や、揚水規制により揚水量を減らす場合は、現在大きな揚水が行われている地域で規制を行った方が有効であることを示す地図を作製することができた。このような地図は新規の工場立地の場合などの環境影響評価に有効に利用できると考えられる。また京阪神地区を対象として、公表されている地下水質データと各種数値データを用いて、数値地図データのみによる地下水質の推定を試みた。データが不十分なためあまり有効な推定結果は得られなかったが、今後各種数値データが整備されていけば、数値地図データからの地下水質推定も可能となると考えられる。
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