1997 Fiscal Year Annual Research Report
微動の3成分アレイ観測に基づくリアルタイム地盤探査システムの開発とその応用
Project/Area Number |
08555140
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
時松 孝次 東京工業大学, 工学部, 教授 (50134846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 洋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員
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Keywords | 微動 / アレイ観測 / S波速度構造 / 地震探査 / 増幅特性 / 地震 / 一次元有効応力解析 / 表面波 |
Research Abstract |
小アレイ観測に対し、レイリー波・ラブ波分散曲線およびH/Vスペクトルをリアルタイムで求めることが可能な計測解析処理システム、大アレイ観測に対し、GPSによる絶対時間取得のソフトウェアー開発を計ることで、レイリー波・ラブ波分散曲線、H/Vスペクトルを抽出するシステムを開発した。さらに微動に含まれるレイリー波ラブ波分散曲線およびH/Vスペクトルの理論解を高次モードまで考慮して導き、その結果に基づいて、高次モードの影響を考慮して、レイリー波とラブ波分散曲線またはレイリー波分散曲線とH/Vスペクトルの逆解析からS波速度構造を同定する手法を開発した。さらに、これらの逆解析手法がレイリー波のみを用いた逆解析に比べ、深い地盤構造の同定に有利であることを示した。以上から、微動のアレイ観測に基づいて、基盤までのS波速度構造を精度よく推定可能な探査システムを構築した。 提案する探査システムの地盤地震工学への応用の可能性を検討するため、神戸市内、釧路市内で微動のアレイ観測を行って、両市内の数地点において基盤(神戸市で深度1〜2km、釧路市で深度20〜100m程度)までのS波速度構造を推定した。推定地盤構造は既住の地盤調査結果と矛盾がなく、推定結果の有効性が示された。兵庫県南部地震や釧路沖地震の際に鉛直アレイ強震記録が得られている地点で求められたS波速度構造に対する増幅特性と実測値を比較検討することで、提案する探査システムによる結果が地震動特性評価に有効であることを確認した。
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[Publications] 時松 孝次: "微動観測から推定した神戸住吉地区の深部S波速度構造と地震動特性" 日本建築学会構造系論文集. 491. 37-45 (1997)
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[Publications] 田村 修次: "3次元多層地盤における地中鉛直点加振の応答変位に対するレイリー波と実体波の寄与" 日本建築学会構造系論文集. 493. 49-55 (1997)
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[Publications] Kohji TOKIMATSU: "Two-dimensional Shear Wave Structure and Motion Characteristics in Kobe Based on Microtremor Measurements" Geotechnical Earthquake Engineering and Soil Dynamics 3rd Conference,August 3-6, Seattle, Washington, GEO-INSTITUTE ASCE 1998. (発表予定). (1998)
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[Publications] 田村 修次: "3次元多層地盤上の水平点加振源から発生する実体波の距離減衰" 第32回地盤工学研究発表会. 859-860 (1997)
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[Publications] 田村 修次: "3次元多層地盤における地中水平点加振の応答変位にしめる表面波と実体波の割合" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 237-238 (1997)