1996 Fiscal Year Annual Research Report
超微細構造を有する新機能磁性金属薄膜の磁気光学干渉効果に関する研究
Project/Area Number |
08555150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 義近 東北大学, 工学部, 助教授 (60245610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北上 修 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (70250834)
島田 寛 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00006157)
深道 和明 東北大学, 工学部, 教授 (00005969)
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Keywords | 磁気光学効果 / 磁区構造 / 強磁性微粒子格子 / 強磁性細線 / 磁壁の核発生 / 磁気抵抗 |
Research Abstract |
2次元平面に規則的に配列したサブミクロンおよびミクロンサイズの強磁性微粒子に光を照射すると、磁気微粒子の周期的構造の配列を反映したブラッグ反射が得られる。従来から知られているように、直接反射光(0次)の強度は磁化に比例し、磁化曲線を計る手段として用いられる。一方、0次以外のブラッグ反射光強度にも、周期的に配列された各々の微粒子内の磁化状態を反映した磁場依存性が現れる。本研究の目的は、この様な次数の異なるブラッグ反射光強度の磁場依存性を横磁気カー効果の配置で測定できる磁気光学回折装置を開発・試作し、微粒子内の平均微小磁区構造を求める手法を確立することである。 本年度は、ブラッグ反射光強度の磁場依存性または反射光強度の次数依存性を測定するための磁気光学回折装置の全システムを完成させることを主眼に研究を遂行した。磁気光学回折装置を制作するに当たり、日本科学エンジニアリング社製オプトロスコープを購入し、特注の回転ゴニオメーターを取り付け、動作確認を行った。 また、平行して、次年度で使用する磁気微粒子格子や細線試料の作製とその磁気特性の評価をローレンツ電子顕微鏡法、電子線ホログラフィー法や磁気抵抗測定法を用いて行った。特に、微小領域の磁区や磁壁の挙動を上述の観点から調べるための理想的な系として、細線幅0.3μm、厚さ100nmのFe強磁性細線を作製し、磁気特性を測定した。その結果、細線中に単一磁壁を捕捉できること、また磁気抵抗変化に磁壁の細線中への侵入(核発生)及び細線中からの離脱(消滅)過程に起因する明瞭な跳びが観測される事が解った。これらの現象は、従来の異方性磁気抵抗効果では説明できない、新規な現象である事が指摘される。 以上の結果を基に、4件の学会発表(内3件の特別講演を含む)と3件の論文発表を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y. Otani et al: "High-resolution observation of magnetization processes in 2μm×2μm×0.04μm permalloy particles" journal of Applied Physics. 79. 5075-5077 (1996)
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[Publications] Y. Otani et al: "Magnetic flux penetration processes in two-dimensional superconductor covered with ferromagnetic particle array" journal of Applied Physics. 79. 8571-8577 (1996)
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[Publications] 大谷義近,深道和明: "超微細構造磁性体およびその複合構造体の磁気・伝導特性" 日本応用磁気学会研究会資料. 95-3. 14-24 (1996)