1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555151
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮山 勝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20134497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 文男 日産自動車(株), 材料研究所, 研究員
岸本 昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30211874)
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Keywords | 窒素酸化物 / ペロブスカイト / セラミックス / ガス吸着 / ガス分解 / ガス検知 / イオン導電体 |
Research Abstract |
平成8年度は、数種の銅含有ペロブスカイト酸化物厚膜を作製し、基礎的なNOxガス吸着特性、電気的応答を調べた。また、酸化物イオン導電体である安定化ジルコニア基板上にその厚膜を形成して、NOxガスを導入した際の安定化ジルコニアに流れる電流を調べた。 1.銅ペロブスカイト酸化物のNOxガス検知特性と吸着挙動 p型導電性のLa_2CuO_4、n型導電性のNd_2CuO_4、キャリア濃度を増すため添加物を加えたLa_<1.8>Sr_<0.2>CuO_4、Nd_<1.9>Ce_<0.1>CuO_4の厚膜をアルミナ基板上に形成し、NOxガスによる導電性変化を調べた。いずれの場合もNOガスにより導電率の減少、NO_2ガスにより導電率の増大がみられた。キャリア濃度を増大させた試料ではいずれもNOxガスによる導電率変化は小さくなった。光電子分光法によりNd_2CuO_4への吸着種を調べ、NOは表面の2つの酸素にまたがって吸着して電子を奪い、負電荷のNO_3-の形になることがわかった。NO_2は1つの酸素に結合しNO_3となるが、それらの間の銅イオンとCu(NO_3)_2に近い構造を形成し、電子を放出することが推測された。 2.Nd_2CuO_4/安定化ジルコニア/Pt素子の電流のNOxガス依存性 Nd_2CuO_4をカソード、Ptをアノードとして安定化ジルコニアに電圧を印可すると、両電極がNOxガスを含む同じ雰囲気でも400℃で電流増加が観測された。電流増加はNOxガス濃度の対数に比例し、NO_2のほうがNOの4倍程度大きかった。さらに、このような電流増加は酸素濃度が5〜20at%の範囲でほぼ同一であった。交流測定から、NOxガスにより電極抵抗が減少し、それによりNOx分解により生じた酸化物イオンが安定化ジルコニア内を流れるものと考えられた。これにより、酸素濃度の変化が生じても感度に影響無くNOx検知ができるセンサ素子が得られることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kwan-Yao Ho: "NOx Response Properties in DC Current of Nd_2CuO_4/4YSZ/Pt Element" J.Ceram.Soc.Jpn.104(11). 995-999 (1996)
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[Publications] Kwan-Yao Ho: "NOx Gas Sensing Properties of Nd_2CuO_<4-y> Thick Film" J.Solid State Chem.(印刷中). (1997)