1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555152
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Section | 試験 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 清 東京工業大学, 工学部, 教授 (80114859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 滋生 東京工業大学, 工学部, 助手 (20218572)
安盛 敦雄 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40182349)
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Keywords | 多孔体 / ファイバー / ムライト / 触媒担体 / 選択溶解法 |
Research Abstract |
ガラスファイバーやセラミックファイバーは気孔率が高く流体の透過性に優れた多孔質の膜やバルク体を作製するのに適している.そこで,これらファイバー自体を多孔質化すればさらに高機能な多孔質セラミックスが作製できると考えた.この目的から,高温での耐熱性,耐酸化性および耐化学性に優れるムライト(Al_<4+2x>Si_<2-2x>O_<10-x>)の多孔質ファイバーの作製を試みた. 試料の作製方法は,市販のAl_2O_8-SiO_2系のセラミックファイバーを熱処理してファイバー中にムライトを結晶化させ,それをエッチング液を用いてガラスを選択的に溶解するよう処理してムライトの多孔質ファイバーを作製する方法である.そのためまず,ガラスを選択的に溶解するのに適したエッチング液について検討した.エッチング液として,アルカリ(NaOH,KOH),フッ酸(HF-H_2SO_4)およびバッファードフッ酸(HF-NH_4F)を用いて調べた結果,アルカリ水溶液では溶解の選択性が低く,溶解速度も遅かった.一方,溶解速度を速くするため水熱条件下で処理すると,表面にゼオライト粒子の層が形成されてしまい,エッチング液として不適切であると判断された.フッ酸では,比較的短時間の処理で多孔質の層をファイバー表面に形成することができた.しかし,ガラスだけでなくムライトもフッ酸に溶けやすいためファイバー中心部まで十分に多孔質層を形成する以前に表面の細孔構造が崩れ,高比表面積化は困難であった.そこで,フッ酸にNH_4Fを加えてその溶解力をコントロールすることにより選択溶解性の向上を図った.その結果,他のエッチング液と比べ大幅に選択溶解性が改善され,細孔構造を崩すことなくファイバー中心部まで多孔質化できることが明らかとなった.
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