1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555153
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (30151541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 繁 日本特殊陶業総合研究所調査部, 主査
稲熊 宜之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (00240755)
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Keywords | 固体電解質 / 同位体分離 / リチウム回収 / モルキュラーダイナミックス |
Research Abstract |
高リチウムイオン伝導性へロブスカイト型酸化物(La,Li)TiO_3を用いたリチウム回収と同位体分離の可能性を探るため、本年は(1)(La,Li)TiO_3るつぼを作製して電解によるリチウム回収と同位体分離実験(2)MD法による同位体の拡散シミュレーションを行った。 (1) (1)の実験による結果、本法を用いたリチウム回収は可能であること、同位体分離も可能であることが明らかになった。しかし問題点どして(ア)電解中に系の抵抗が高くなること(イ)電解質るつぼにクラックが入ること(ウ)電流効率が100%でないこと等が明らかになった。(ア)は主にプロトンが電解質に侵入することに起因し、これを防ぐためには水以外の溶媒を用いる必要があること、(イ)は電解質るつぼ作製の際の一次粒子サイズの調整が必要なこと、(ウ)は水の電解が電解質界面で起こっているため、電解質-溶媒界面の分極を調節する必要があること等が明らかとなった。また同位体分離効率は実験的には1.20が求まり、理論的な効率1.08よりもかなり大きいことが見い出された。これらの結果は(La,Li)TiO_3がリチウム回収および同位体分離にも十分使用可能なことを示唆しており、今後工業的に応用する際の問題点を明らかにされた。 (2) MDによるシミュレーションの結果、リチウム同位体の拡散係数は単純なバネモデ ルを用いた比率√<7/6>に等しいことが見い出された。これは古典力学(ニュートンカ学) による単純な調和振動子モデルで実験値を説明できることを示しており、固体電解質を用いれば他の方法と同程度以上に分離ができることを示唆している。 以上の結果をもとに、今後同法が工業的にも十分応用可能な方法であることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Inaguma: Journal of Ceramic Society of Japan. (1998)
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[Publications] T.Katumata: "Molecular Dynamics Simulation in SrTiO_3" Solid State Ionics. (1998)
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[Publications] S.Kunugi: Solid State Ionics. (印刷中). (1999)