1997 Fiscal Year Annual Research Report
高温材料開発のための新しい材料試験システムの試作とその応用
Project/Area Number |
08555161
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
若島 健司 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (70016799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 英明 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (30227376)
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Keywords | ソ-サレーザ測長システム / 高温動的ヤング率 / 内部摩擦 / 複合材料 / 擬弾性 / 耐熱材料 / クリープ |
Research Abstract |
本研究では,走査レーザビーム(波長670nm)による"非接触サブミクロン変位計測"を特徴とする新しい多目的高温材料試験システム試作し,その有用性を示すべく,特に新規の高温構造用材料として注目される金属/セラミックス系複合材料を対象として様々な高温試験を実施し,種々の検討を行った.このシステムでは負荷制御のベースユニットとして汎用の油圧サーボ式疲労試験機をそのまま利用し,試験環境は10^<-1>〜10^<-3>Pa程度の真空中とした.まず第1ステップとして,室温〜1100℃での高温試験の実現を目指し,線光源タイプ(レーザビーム透過窓付の4重楕円筒面反射鏡式)赤外線イメージ炉を装着し,ダンベル形丸棒状試験片(ゲージ部の長さ40mm,直径6mm)を標準とする引張-圧縮用試験ジグ(ニッケル基耐熱合金713C製)を設計・製作した.使用した市販の"可視光レーザ外形測定器"は常温使用を前提としており,しかも測定精度±3μmがカタログ上での保証値である.そのため本研究では電気的および光学的フィルター等による様々な対策を講じた.その結果,本システムの最も特色とする動的擬弾性/粘弾性試験,すなわち等温条件での低周波(0.1〜0.01Hz)単軸周期応力負荷による応力波形(正弦波)と応答ひずみ波形の振幅比および位相差から動的ヤング率と内部摩擦を測定する場合,例えば2μmの変位振幅を測定誤差±0.1μmで計測出来,したがって"非接触サブミクロン変位計測"は実現できたと判断した.さらに室温〜1800℃への温度域拡大を目指した第2ステップでは,試験ジグの耐熱性の制約から点光源タイプ(2重回転楕円面反射鏡式)の赤外線イメージ炉による局部加熱方式を検討したが,真空中での高温加熱に際し,試験片/ジグからの蒸着汚染物によるイメージ炉の赤外線反射効率の著しい低下とレーザビームの透過阻害が問題となった.そのため現状では変位計測可能な温度域は最高1500℃程度にとどまっている.なお本システムの応用面では,Al/SiC粒子系およびAl/9Al_2O_3・2B_2O_3ウィスカ系の複合材料について室温〜500℃,Ni/ZrO_2系の複合材料について室温〜800℃の温度域で動的擬弾性/粘弾性試験を実施し,いずれも有意義な結果を得たので研究論文として発表予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K. Wakashima: "Unsteady Diffusional Creep of a Dual-Phase Material" Scripta Materialia. 36. 1081-1087 (1997)
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[Publications] T. Mori: "Steady-State Creep Rate of a Composite : Two Dimensional Analysis" Philosophical Magazine Letters. 75. 359-365 (1997)
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[Publications] C. -S. Kang: "Dynamic Young's Modulus and Interal Friction in Particulate Sic/Al Composites" Acta Materialia. (印刷中). (1998)