1996 Fiscal Year Annual Research Report
表面波スペクトロスコピーによる多層薄膜の力学物性と密着性の定量評価システムの開発
Project/Area Number |
08555170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井原 郁夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80203280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡利 広司 通産省工業技術院, 名古屋工業技術研究所, 研究員
中曽 教尊 凸版印刷(株), 総合研究所, 研究員
相澤 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
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Keywords | 弾性表面波 / 超音波スペクトロスコピー / コーティング薄膜 / 力学特性 / 逆解析 / 弾性定数 / 密着性 |
Research Abstract |
本研究は,表面波スペクトロスコピー手法を用いて多層コーティング薄膜の力学特性とその密着性を定量的に把握するための評価システムを開発することを目的としている.現時点での主な結果は以下のとおりである. 1.表面波スペクトロスコピーの精度向上 現有設備の超音波スペクトラム顕微鏡に,広帯域超音波パルサー/レシ-バを装着することにより,測定周波数帯域の拡張をはかった.これにより,約300MHzまでの超音波スペクトロスコピーが可能となった.現在,改良後の基本性能評価,測定精度評価を行なっているが,この改良により表面波による薄膜物性評価の精度向上が十分に期待される. 2.表面波による薄膜物性評価に関する理論的検討 多層薄膜材料の超音波反射率ならびにその材料表面を伝搬する弾性表面波の挙動について理論的に検討するとともに,それらを指標とした材料物性評価について検討した.まず,材料の弾性異方性を考慮し,異方性弾性定数を同定するための逆解析プログラムを開発した.次に,n層膜構造モデルを用いて,膜と基盤あるいは膜と膜との密着性(接合強度,界面性状)の定量的評価に関する基礎的検討を行った.具体的には,界面での応力と変位の境界条件の新しい定式化を試みた. 次年度では,多層薄膜の特性を同定するための逆解析手法を確立するとともに,系統的なモデル実験を行うことにより,本手法の妥当性,実用性を検証する予定である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 井原郁夫: "弾性表面波による多層コーティング薄膜の膜厚評価(第一報 逆解析手法の適用)" 被破壊検査. 46・3(掲載予定). (1997)
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[Publications] 井原郁夫: "弾性表面波による多層コーティング薄膜の膜厚評価(第二報 実験的検証)" 被破壊検査. 46・4(掲載予定). (1997)
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[Publications] 井原郁夫: "超音波スペクトラム顕微鏡の局所的材料評価への適用" 第36回通研シンポジウム論文集. 91-100 (1997)
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[Publications] 井原郁夫: "弾性表面波による異方性材料の弾性定数同定" 日本機械学会第74期通常総会講演会. (発表予定). (1997)