1996 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス分離膜用の高配向性多孔質基材の製造法に関する研究
Project/Area Number |
08555181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
横田 俊幸 山形大学, 工学部, 教授 (90007005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 保之 山形大学, 工学部, 助手 (00163303)
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Keywords | セラミックス分離膜 / 膜基材 / 凍結乾燥法 / 多孔質セラミックス / 高配向性多孔質セラミックス / 多孔質マグネシア |
Research Abstract |
中空円筒型多孔質マグネシア管の製造 凍結乾燥法の原理を応用して,中空の内筒部から外筒部に向かって水平放射状に広がる貫通細孔をもつ,高配向性多孔質マグネシア管の製造を行った. はじめに実験手順について述べる.1)出発原料に硫酸マグネシウム水溶液を用い,これを円筒形の金属アルミ製の凍結セルに入れる.なお,この凍結セルの中心には,極少量のグリスを塗布した真鍮製の芯棒が挿入してある.2)試料溶液を入れた凍結セルを,n-ヘキサン冷媒の凍結バス(-90℃あるいは-30℃)にて外筒部から内部へ向かって凍結させる.3)凍結体を取り出し,真空乾燥装置にて氷を昇華させて乾燥体を作製する.ここで,凍結体を取り出すには,凍結セルの外筒に流水を当て凍結体表面の一部を溶かし芯棒と共に凍結体を抜き取る.その後,芯棒を凍結体から引き抜く.4)乾燥体を1000℃まで加熱して仮焼する.5)仮焼体を1500℃で焼結する. 上記の操作によって得られた凍結乾燥体・仮焼体および焼結体の細孔は,水平断面において,放射状に配向していることがSEM観察の結果から明かとなった.仮焼体には,加熱操作の時に生成したクラックおよび試料の変形が認められた.このクラック生成を防止するためには,加熱操作の昇温条件を適切に設定することが大切で,特に,乾燥体に吸着している水分の脱水過程において昇温速度をかなり遅くする必要があるとがわかった. 仮焼体・焼結体の変形は,以下のような理由で起こるものと推測された.すなわち,乾燥体試料の内筒部近傍と外筒部近傍とで細孔の大きさ・分布に差異があるため,加熱操作時の収縮率が局所的に異なり変形が起こった.そこで,今後の方針として,原料溶液の凍結速度,凍結方向(内部から外部へ向かっての凍結操作,内部・外部両面からの同時凍結法)および,試料溶液中に酸化マグネシウム微粉末の添加したスラリー原料の使用などについて検討する予定である.
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