1997 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスプレー法を応用した新規環境浄化技術の開発
Project/Area Number |
08555182
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
原野 安土 群馬大学, 工学部, 講師 (90238204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 光夫 日本石油, 中央研究所, 特別研究員
佐藤 正之 群馬大学, 工学部, 教授 (70008473)
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Keywords | エレクトロスプレー / イオン反応 / 脱硝プロセス / 酸性雨 / 微小液滴 / 吸収 / コロナ放電 / 環境浄化 |
Research Abstract |
本研究ではエレクトロスプレー法により生成する帯電微小液滴を用いた新規脱硝技術を提案するものである。第1の方法は安価な技術として期待されている無触媒脱硝法の反応温度の低温化をであり、エレクトスプレーによる帯電液滴添加を行うことにより、以下の結果を得た。 1)750-850℃の温度範囲で起こる無触媒脱硝反応にアンモニアとフェノールが共存する水溶液を蒸気で添加すると反応温度が低温化し,650-750℃で脱硝反応が進行した。 2)エレクトロスプレー法により、フェノールとアンモニアの水溶液を微粒化し添加すると、更に低温下が起こり650℃で30%、700℃で50%の脱硝率を得た。(反応条件:NO 388ppm,O_2 4%,NH_3 400ppm,phenol 102ppm,H_2O6.4%,N_2 balance,residence time 1.5-1.8sec.) 3)反応後のガス中に含まれるCO、CO_2の測定を行ったところ、600〜650℃でフェノールが分解、酸化していることがわかった。したがって、エレクトロスプレーによるイオン添加は反応系全体の反応を促進していると考えられる。 第2の方法として放電プラズマ内に帯電微小液滴を吹き込むことにより脱硝率の改善を行い、以下の結果を得た。 1)プラズマ(コロナ放電)内に微小液滴を直接噴霧することにより、脱硝率が著しく向上した。 2)液滴径が小さくなるほどNO_x除去量が増大し、特に、ネブライザー噴霧を使用したときに最大の脱硝率を得られた。 2)強電解を噴霧することによりpHの影響を調べた。pH=5付近を境に、酸性側アルカリ側供、その度合いを増すに従ってNO_x除去効率は向上した。 4)NO_x除去に対する、過酸化水素水の顕著な効果が確認された。約10μmの液滴によるNO_x吸収実験では、過酸化水素水濃度役20%の時、蒸留水と比較して、およそ1.5倍のNO_x吸収量の増加が確認された。 5)従来の湿式脱硝法と液ガス比の比較を行った結果、1/100程度の使用水量で同じ脱硝率を得られた。 エレクトロスプレー法は特別な付帯設備が不要であり、煙道中でスプレーを行うだけで安価でかつ簡便に脱硝できることから。今後、発展途上国への技術移転環境技術として期待されると考える。
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