高効率太陽電池の低コスト生産のための原料リサイクルを伴うCVDプロセスの構築

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08555186
• Research Institution: THE UNIVERSITY OF TOKYO
• Principal Investigator: 小宮山 宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011188)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 反田 哲史 三菱電機(株), 先端技術総合研究所, 研究員 ; 結城 昭正 三菱電機(株), 先端技術総合研究所, 主幹研究員
• Keywords: 太陽電池 / ケミカル・ベ-パ-・デポジション / 原料リサイクル / クロロシラン類 / 多結晶シリコン / エッチング

Research Abstract

太陽電池発電層形成のための多結晶シリコンCVD法を対象として、原料ガスのリサイクル法を確立し、従来プロセスと比較してより低コストで高効率のCVDプロセスを構築することを目指した。
平成9年度は、前年度に引き続いて、外熱型CVD装置で、原料としてトリクロロシラン(SiHCl_3)、四塩化珪素(SiCl_4)の2種類のクロロシラン類を用いて成膜実験を進め、反応器出入口におけるクロロシラン類のマスバランスから、気相反応に関する知見を収集した。さらに金属シリコン粉末のクロロシラン類によるエッチング実験を成膜実験と平行して行い、エッチング速度の解析を進めた。
また、Si/H/Cl系の熱力学的平衡計算を行い、成膜実験やガスクロマトグラフによる分析結果と比較検討を行った。これらの解析の結果、クロロシラン類を原料に用いたCVD反応が極めて平衡状態に近い領域での現象であることが判明した。よって、平衡を制御することで、シリコンの成長とエッチングを制御することが可能であり、こうしたSi/H/Cl系の特性に基づき、エッチング反応を利用して原料を再生・リサイクルする新しい太陽電池作製プロセスを提案した。

Research Products

• [Publications] 小宮山 宏: "化学気相成長(CVD)の合理的設計" 応用物理. 66(10). 1115-1119 (1997)
• [Publications] 小宮山 宏: "CVDの化学工学、ECONOMIX(Experiment-COnputer-kNOwlodqe-best-MIX)" 化学工業. 60(12). 896-897 (1996)
• [Publications] T.Takahashi: "The Effect of Gas-Phase Additives C_2H_<4、1>C_2H_6,and C_2H_<> on SiH_4H_4lO_2 Chemical Vapon Deposition" J.Electrochem.Soc.142(4). 1355-1361 (1996)
• [Publications] 高橋崇宏: "Computer Aided Reaction Designを用いたCVDにおける問題解決へのアプローチ" 化学工業. 59(9). 642-653 (1995)
• [Publications] 小宮山 宏: "基礎工学としての反応工学" 化学工業. 59(7). 504-507 (1995)
• [Publications] 小宮山 宏: "入門熱力学-実例で理解する" 培風館, 197 (1996)
• [Publications] 小宮山 宏: "反応工学-反応装置から地球まで-" 培風館, 145 (1995)