1997 Fiscal Year Annual Research Report
浸透気化膜分離法によるガソリンオクタン価向上剤の分離・精製プロセスの開発
Project/Area Number |
08555190
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
東稔 節治 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40029418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 修志 ダイセル化学工業, 総合研究所, 研究員
正脇 輝之 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10209421)
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Keywords | 膜分離 / 浸透気化 / DMC / TAME / MTBE / プロセスシミュレーション / メタノール / 有機・無機ハイブリッド換 |
Research Abstract |
メチル-t-ブチルエーテル(MTBE)、t-アミルメチルエーテル(TAME)、ジメチルカーボネート(DMC)などのガソリンのオクタン化向上剤の浸透気化膜分離特性の解析および合成プロセスから分離精製プロセスまでの一貫した生産プロセスの構築を目的とし、本年度は膜分離特性の実験的・理論的解析および生産プロセスのシミュレーションを主として、以下のような検討を行った。 1.ガソリンオクタン価向上剤としてMTBE、TAME、DMCを取り上げ、目的の分離系に適した膜素材のとして親水性であるアクリロ=トリル-アクリル酸共重合体を用い、ガラス性多孔質膜およびアルミナ膜への固定化を行った。また、共重合体の中のアクリル酸の割合を変化させ、膜の親水性を制御し、エポキシ化を行うことで膜の膨潤を押えることができた。得られた膜に関し、膜透過特性の解析を行うため、MTBE、TAME、DMCを含むメタノール溶液を調製し、各成分の透過流束や分離係数に及ぼす供給液組成、温度、透過側圧力(減圧度)の影響を検討した。 2.有機系混合物の浸透気化分離においては、膜の膨潤により透過流束や分離係数に濃度依存性が生じる。膜の膨潤を考慮し、拡散係数が濃度依存性を示すとして溶解-拡散理論に基づいて透過特性の解析をなった。その結果、MTBEとメタノール分離において、分離係数が10^4と高い値を示していることが分った。 3.省エネルギー的なガソリンのオクタン価向上剤生産システムを開発するため、浸透気化分離を組み込んだプロセスを構築した。実験データをもとに、プロセスシミュレーションを行い、各種操作条件の影響を明確にするとともに、プロセスの最適化を行った。
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[Publications] Phar Do Hung: "浸透気化法によるジメチルカーボネート/メタノール混合物からのジメチルカーボネートの分離" 化学工学論文集. 23(5). 733-737 (1997)
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[Publications] Phar Do Hung: "有機・無機複合膜によるメタノール/メチル-t-ブチルエーテル混合溶液の浸透気化分離" 化学工学会第30回秋季大会講演要旨集. 1. 60 (1997)
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[Publications] Phar Do Hung: "膜分離を組合せたメチル-t-ブチルエーテル製造プロセスのシミュレーション" 化学工学会第30回秋季大会講演要旨集. 1. 61 (1997)
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[Publications] Phar Do Hung: "無機ハイブリッド膜によるメタノール/メチル-t-ブチルエーテル混合物の浸透気化分離" 化学工学会第63年会講演要旨集. 印刷中 (1998)
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[Publications] Phar Do Hung: "Pervaporation Separation of Methanol from Methanol-t-Amyl Methyl Ether Mixture by Polyion Complex Membrane" J.Chem.Eng.Japan. (1998)