1996 Fiscal Year Annual Research Report
メタンの水蒸気改質反応における高温水素分離膜型反応器の開発
Project/Area Number |
08555192
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Section | 試験 |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅枝 正司 広島大学, 工学部, 教授 (40026224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 朋久 広島大学, 工学部, 助手 (50284162)
都留 稔了 広島大学, 工学部, 助教授 (20201642)
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Keywords | 水素 / メタン / 水蒸気改質 / 膜型反応器 |
Research Abstract |
本研究では,水素分離膜を組み込んだメタンの水蒸気改質反応による水素製造プロセスの開発を目的とする。今年度は,ゾルゲル法によりシリカ-ジルコニア多孔性膜の作製を行ない,高透過性・高選択性を示す水素分離膜(水素/窒素透過係数比=100〜500,水素透過係数=1x10^<-5>m^3(STP)m^<-2>s^<-1>kPa^<-1>)の作製が可能であることを明らかとした。 一方,メタンの水蒸気改質反応では反応原料である水蒸気が大量に存在する。高温水蒸気(500〜570℃,水蒸気分圧0.25〜0.5bar)存在化でシリカ-ジルコニア膜の焼結が進行し,経時的に気体透過係数は徐々に減少することが明らかとなった。しかしながら,透過係数はゼロに収斂するわけではなく,一定値に漸近し,高温水蒸気下でも長時間にわたって安定な値を示した。高温水蒸気下でも水素/窒素透過係数比が100以上のセラミック分離膜の作製に成功した。また,焼結の進行と共に,気体透過の活性化エネルギーは増大し,シリカ-ジルコニア多孔性膜の緻密化が起こっていることが示唆される。 水素分離膜上に触媒としてニッケルを担持焼成することで薄膜触媒を製膜し,メタンの水蒸気改質反応に用いた。ニッケルのみを担持した場合反応活性の経時的な低下が観察されたが,触媒上への炭素析出によると考えられた+。そこで,アルカリ金属であるカリウムを添加しところ,触媒活性の低下が抑制された。500℃でスチーム比9で改質反応を行ったところ,平衡反応率は超えないものの水素引き抜きによる反応率の向上が確認され,膜型反応器とする有意性が確認された。
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