1996 Fiscal Year Annual Research Report
褐炭由来の有機酸を原料とする生分解性プラスチックの新規製造法の開発
Project/Area Number |
08555196
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 三雄 日本硝子(株), バイオ研究課, 課長
大隈 修 (株)神戸製鋼所, 化学技術研究所, 主任研究員
清水 和章 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00150318)
前 一廣 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70192325)
白井 義人 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50175395)
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Keywords | 褐炭の酸化分解 / 生分解プラスチック / バイオリアクター / 有機酸 |
Research Abstract |
廉価、大量に存在する褐炭を効率的に有機酸に変換したのち、微生物を用いて生分解性プラチックを生産する新規製造法の開発・実証を目的に、(1)褐炭の液相酸化分解による有機酸の製造・精製、(2)有機酸の微生物反応による生分解性プラスチックの製造について検討した。 1.褐炭の液相酸化分解による有機酸の製造・精製 種々の褐炭をH_2O_2中、常圧,〜80℃の条件で液相酸化した結果、アメリカ褐炭から水溶性有機酸に0.70kg/kg-carbonの高収率で転換することを見いだした。このとき、低分子生成物収率(重量基準)はマロン酸25kg/100kg -coal,-グリコール酸18.8kg/100kg-coal,酢酸11.7kg/100kg-coal ギ酸12.7kg/100kg-coal、メタノール6.38kg/100kg-coal、計75.8kg/100kg-coalと驚異的な量を得ることに成功した。 2.有機酸の微生物反応による生分解性プラチックの製造 褐炭から生成される主低級脂肪酸の模擬混合さんを調製し水素細菌(Alcaligenes eutrophas)を用いて生分解性プラスチク(ポリヒドロキシ酪酸、PHA)の生産を試みた。この結果、酢酸が菌体の増殖、PHA合成の原動力で、グリコール酸は菌体の増殖に寄与することがわかった。また、マロン酸の蓄積を防止する半回分灌流培養を提案し、PHAの生産とマロン酸の分離を同時に実施できることを示した。一方、有機酸濃度を制御したバイオリアクター実験から菌体の増殖、PHAの合成には、ある一定レベル以下の濃度に保つ必要性があることがわかった。 今後、以上の成果に基づき、1)Fenton試薬を用いた褐炭の酸化分解による選択率、収率の向上、2)提案した半回分灌流培養による生分解性プラスチックの高効率製造とその制御について検討を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)