1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末永 智一 東北大学, 大学院 工学研究所, 助教授 (70173797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉木 博 (財)電力中央研究所, 我孫子研究所, 部長
横山 秀克 (財)生物ラジカル研究所, 計測法開発部, 主任研究員 (10281619)
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Keywords | マイクロ電極 / 膜透過 / 細胞操作 / 単一細胞 / 光合成 / 電子移動 / 酸化還元 / 電子伝達鎖 |
Research Abstract |
本年度は,単一細胞を対象として,(i)キノン類共存下での光合成挙動の解析,(ii)各種酸化還元種の膜透過性の解析,に関して検討した. キノンを含む溶液中で植物細胞膜の近くにマイクロ電極を置き,光照射に伴う細胞膜表面のキノン,ヒドロキノンおよび酸素の濃度変化を測定したところ,光照射するとキノン濃度は減少し,ヒドロキノン濃度は増加した.消光するといずれも元に濃度レベルまで戻った.この現象は,キノンが光照射下で光合成電子伝達鎖からの電子移動によってヒドロキノンに還元されたことを示している.添加したキノン濃度が1mMの場合,1個のプロトプラストに吸収されるキノンは2.5×10^<-13>mol/s,放出されるヒドロキノンは2.8×10^<-13>mol/sとほぼ等しく,細胞内に吸収されたキノンは,すべてヒドロキノンに還元され細胞外に放されていることが明らかとなった.また,キノン存在下における酸素発生速度は3.5×10^<-13>mol/sと通常に比べて約3倍に増加した.このことは,光エネルギーと生体機能を利用した酸素発生システム構築の可能性を示している. また,マイクロ電極を拡散層内に挿入し,生きた単一細胞の各種酸化還元種に対する膜透過計数(Pm)を評価した.その結果,Fe(CN)_6^<4->,Fe(CN)_6^<3->の膜透過係数はPm<10^<-4>cm/s,Co(phen)_3^<2+>はPm=1×10^<-3>cm/s,フェロセニルメタノールはPm=5×10^<-3>cm/s,ヒドロキノンはPm=2×10^<-2>cm/sと決定できた.キノンやヒドロキノンのように分子が比較的小さく,中性型で存在する物質は極めて細胞膜を透過しやすく,対照的に,Fe(CN)_6^<4->のように電荷を持ち,親水性の物質はほとんど透過しないことが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Shiku: "Dual lmmunoassay of Human Chorionic Gonadotropin and Human Placental Lactogen at a Microfabricated Substrate by Scanning Electrochemical Microscopy" J.Electroanal.Chem.438. 187-190 (1997)
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[Publications] 末永智一: "走査型電気化学顕(SECM)による局所センシング" 科学センサ. 13. 8-13 (1997)
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[Publications] T.Matsue: "Rapid Mecropatterning of Living Cells by Repulsive Dielectrophoretic force" Electrochim.Acta. 42. 3251-3256 (1997)
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[Publications] 末永智一: "細胞一個の内部を電極で探る" 化学と教育. 45. 320-321 (1997)
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[Publications] T.Yasukawa: "Permeation of Redox Species Through a Cell Membrane of a Single, Living Algal Protoplast Studied by Microamperometry" Biochim.Biophys.Acta,. (印刷中).
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[Publications] 末永智一: "マイクロ電極システムを用いた細胞操作とセンシング" 応用物理. (印刷中).