1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 有樹 関西ペイント(株), 技術研究所, 研究員
中山 鶴雄 ぺんてる(株), 中央研究所, 課長
和地 陽二 資生堂(株), 研究開発本部, 主任研究員
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20198229)
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Keywords | 電気制菌 / 電極 / 導電性塗料 / バインダー樹脂 / 電位印加 / カーボングラファイト |
Research Abstract |
化粧品・食品・医薬品などの製造プロセスにおいて微生物の混入は製品に非常に重要な欠陥をもたらすため、微生物汚染を防止する殺菌技術は大きな役割を担っている。微生物汚染防止にはこれまで、化学薬剤を使用する方法や加熱、加圧、紫外線・放射線の照射などによる制菌などが用いられてきた。しかしながら、添加薬剤の製品中への残留やタンパク質の変性が起きるため適用される対象物が限定されるといった問題があった。したがって、単に制菌作用を有するだけでなく、その効果の持続性および制菌対象物への影響のないこと、さらに環境への安全性を考慮した殺菌法が切望されている。申請者らは細胞の電極反応に関する一連の研究を行い、すでにクロロプレン-グラファイトなどの導電材料を作製し、海洋生物の制菌に利用した。これらの技術的背景を基に、電気制菌法を利用した無菌配管システム構築を目的として、本年度は制菌効果を示す導電性塗料の開発について検討した。試験菌としてPseudomonas fluorescensを用いて殺菌について検討したところ、30分間、1.5Vvs.SECの電位印加により98%の菌体の殺菌が確認され、この電位で微生物を殺菌できることが示された。そこで、塩ビ配管にグラファイトを50%添加したウレタン樹脂塗膜を形成させ導電性樹脂配管を作製し、連続通水時における電気化学的制菌を検討した。通水35日後、配管への付着生菌数を測定したところ、電位を印加しなかった配管では、1.7×10^3cfu/cm^2、定電位1.5Vvs.Ag/AgClを印加した配管では9.0×10^2cfu/cm^2であった。また、バインダーとして用いている塗膜からの有機物の溶出について調べた。バインダー樹脂を検討したところ、ウレタン樹脂が最も電極材として適していることが確認され、カーボングラファイトの酸化処理によるウレタン樹脂と架橋することで、有機物の溶出を制御できることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松永是: "微生物の電気化学殺菌とその応用" 電気化学. 64. 1143-1147 (1996)
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[Publications] Mina Okochi: "Electrochemical disinfection of drinking water using an activated-carbon-fiber reactor capable of monitoring its microbial fouling" Appl.Microbiol.Biotechnol.47. 18-22 (1997)
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[Publications] 松永是: "電気化学殺菌法の開発とプロセスへの応用" ケミカルエンジニヤリング. 42. 7-14 (1997)
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[Publications] 松永是: "抗菌抗カビ技術と応用" シ-エムシ-, 298 (1996)