1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555201
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20198229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 有樹 関西ペイント(株), 技術研究所, 研究員
中山 鶴雄 ぺんてる(株), 中央研究所, 表装エレメント課長
和地 陽二 資生堂(株), 研究開発本部, 主任研究員
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Keywords | 電気制菌 / 電極 / 窒化チタン / スパッタリング / 電位印加 / 高周波アーク溶射 |
Research Abstract |
近年、各種微生物による感染症が問題となったことから、微生物汚染を防止する殺菌技術の重要性が改めて見直されている。本研究は電気化学制菌法を利用した化粧品・食品・医療品などの製造プロセスにおける無菌配管システムの構築を目的とした。本年度は、抵抗が低く耐久性に優れた電極材料として窒化チタン(TiN)に着目し、電極特性を調べるとともに、TiN電極を利用した殺菌および付着防止について検討した。まず、スパッタリング法で作製したTiN電極は比抵抗値が低い良導電体であり、交換電流密度も高いことが確認できた。TiN薄膜上に付着した微生物は0.8Vの電位を10分間印加することで、殺菌可能なことが示された。これは昨年度報告した導電性樹脂電極よりも効率的に殺菌できることが明らかになった。また、2.0Vの電位を印加しても、塩素の発生やチタンの溶出も確認されず、副生成物によらない、温和な条件での殺菌であることが示された。さらに、窒素ガスを高周波アーク溶射装置を用いた溶射法によるTiN薄膜の形成について検討したところ、ポリエチレンテレフタレートや金属上にもTiN薄膜が形成できることも確認できた。このTiN薄膜はスパッタリング法で形成したものと同様の電極特性を有することが示された。このTiN薄膜被覆樹脂板を作製し電位を印加することにより、微生物の付着防止について試験を行った。その結果、1.0Vと-0.6Vの正電位と負電位を交互に印加すると正電位の印加のみの場合と比べて、効果的に付着が防止でき、その効果は従来の樹脂電極よりも優れていることが明らかになった。さらに、作用極と対極の2極法で電位を交互に印加しても双方の電極上で微生物の付着が抑制でき、新たな制菌システムならびに防汚方法としての可能性が示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsuruo Nakayama: "Use of a titanium nitride for electrochemical inactivation of marine bacteria" Environ.Sci.Technol.32. 798-801 (1998)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Prevention of marine biofouling using a conductive paint electrode" Biotechnol.Bioeng.59. 374-378 (1998)
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[Publications] Tsuruo Nakayama: "Electrochemical prevention of marine biofouling on a novel titanium-nitride-coated plate formed by radio-frequency arc spraying" Appl.Microbiol.Biotechnol.50. 502-508 (1998)
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[Publications] Mina Okochi: "Electrochemical control of bacterial cell accumulation on submerged glass surfaces" Clean Products and Processes. 1. 53-59 (1998)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Encyclopedia of Environmental Analysis and Remediation" John Wiley & Sons,Inc., 621 (1998)