1996 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性ヒト用ハイブリッド型人工肝臓の開発と前臨床段階の性能評価
Project/Area Number |
08555206
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
船津 和守 九州大学, 工学部, 教授 (80037960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正明 (株)鈴木商館筑波研究所, 所長代理, 研究員
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
松下 琢 九州大学, 工学部, 助教授 (10209538)
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Keywords | ハイブリッド型人工肝臓 / 肝細胞スフェロイド / 双方向フロー型培養装置 / 肝不全 / 温虚血性イヌ肝不全モデル / 多細管型PUF充填層 / 血中アンモニア / 血糖値 |
Research Abstract |
1.イヌ肝細胞の三次元培養法を利用したハイブリッド型人工肝臓の装置化と最適培養条件の検討 ポリウレタンフォーム(PUF)を培養担体として用いることでイヌ肝細胞の三次元培養に成功し、肝特異的機能の維持がはかれるようになった。また多細管型PUF充填層の開発でコンパクトな装置化がはかられ、最適細胞固定化密度に対する知見が得られた。これらの成果をもとにイヌ生体肝臓の10%の細胞量を固定化する人工肝臓として、直径52mm,高さ180mm,体積300cm^3の多細管型PUF人工肝臓モジュールが開発された。またこのモジュールの培養装置として、肝細胞の機能維持に重要なモジュールへの均一な酸素供給に優れた双方向フロー型培養装置(鈴木商館社製、共同研究者)を用い、モジュールのスケールに合わせて一部改造を行った。 2.イヌ肝不全モデルの作成と対外循環システムの構築 本人工肝臓の適用対象と考えられている急性肝不全(劇症肝炎を含む)のモデルとして、門脈下大静脈吻合温虚血イヌ肝不全モデルの作製に成功した。また既存のヒト用体外循環システムを改造し、本人工肝臓モジュールと組み合わせた体外循環システムを構築した。 3.ハイブリッド型人工肝臓のイヌ肝不全モデルへの適用と性能評価 本人工肝臓を含んだ体外循環システムをイヌ肝不全モデルへ適用したところ、肝性昏睡の原因物質の一つである血中アンモニアの解毒、血糖値の維持、コリンエンステラーゼなどの血中タンパク質の維持、血圧の維持、腎機能の維持などに本人工肝臓の有効性が示された。またこの結果は現在米国で臨床試験を実施している他研究者の人工肝臓の性能と同等かそれを上回るものであった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 和田 茂久: "肝不全ラットを用いた体外循環によるPUF/肝細胞スフェロイド充填層型人工肝臓の開発" 人工臓器. 25巻3号. 678-682 (1996)
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[Publications] K.FUNATSU: "Development of drug metabolism simulator using three-dimensional culture of hepatocytes of rats and dogs" Animal Cell Technology:From Vaccines to Genetic medicine. 85-90 (1997)
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[Publications] H.IJIMA: "Spheroid formation of primary dog hepatocytes using polyurethane foam and its application to hybrid artificial liver" Animal Cell Technology:From Vaccines to Genetic medicine. 557-583 (1997)
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[Publications] 船津 和守: "ハイブリッド型人工肝臓とバイオレオロジー" 日本バイオレオロジー学会誌. 10巻2号. 40-49 (1996)
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[Publications] 船津 和守: "ハイブリッド型人工肝臓" バイオサイエンスとインダストリー. 55巻1号. 21-24 (1997)
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[Publications] K.NAKAZAWA: "Prolonged lidocaine metabolizing activity of primary hepatocytes with spheroid culture using polyurethane foam as a culture substratum" Cytotechnology. (in press). (1997)