1996 Fiscal Year Annual Research Report
気泡塔型培養装置を用いたキノコ類の最適培養条件の探索
| Project/Area Number |
08555208
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
| Section | 試験 |
|---|
| Research Institution | Nara National College of Technology |
|---|
Principal Investigator |
河越 幹男 奈良工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (90043489)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, 化学工学科, 助手 (00259912)
三木 功次郎 奈良工業高等専門学校, 化学工学科, 助教授 (80259910)
|
|---|
| Keywords | 生物化学工学 / 気泡塔 / バイオリアクター / キノコ類 / バイオセンサー / 膜分離 |
|---|
| Research Abstract |
テ-パ付きエア-リフト塔の特性解析: 菌体ペレットを上昇管内に保持しやすいテ-パ付エア-リフト塔を試作し、その流動・混合特性を測定した。半径方向のガスホールドアップ分布は放物線分布となり、軸方向のガスホールドアップ分布はドリフトフラックスモデルで整理できた。液循環流速は上昇管と下降管の間の静圧差と流路内の圧力損失のバランスから得られる半理論式で相関できることが分かった。上昇管内の液流速分布を混合距離理論に基づいて解析し、従来のエア-リフト塔と比較検討した。この液流速分布を用いて、液側混合特性をTaylor-Arisモデルに準拠して解析した。混合拡散係数は従来塔と一致した。
気泡塔型バイオリアクターの培養特性: バイオリアクターとして標準気泡塔と外部液循環式エア-リフト気泡塔を用い、食品価値の高いマツタケを培養した。いずれの形式においても、最終菌体収集はガス流速の増大と共に増加し、総括増殖速度(=最終菌体収集/全培養日数)を最大にするガス流速が存在することを見いだした。最終菌体収集はエア-リフト塔の方が、総括増殖速度は標準塔の方が大きくなった。
バイオセンサーの特性解析: 電子伝達メディエーターの存在下において、真菌類を膜に固定化した電極を電流応答曲線を測定し、実用化への基礎データを得た。
タンパク質の分離精製: 逆ミセルを用いたタンパク質の分離精製に及ぼす種々の因子の影響について検討した。まず、塩酸グアニジン添加の効果に及ぼす温度の影響を調べた。その結果、温度に無関係に添加の効果があることが分かった。また、桿菌ズブチリシスの培養液からズブチリシンBPN'を逆ミセルを用いて選択的に抽出する方法について検討した。また、タンパク質の動水力学的特性に及ぼすグアニジンの影響を調べグアニジンがタンパク質の会合状態に影響していることを見いだした。また、タンパク質の抽出における糖類の影響を調べ、糖類の添加はタンパク質の変性を抑制することを明らかにした。
|
-
[Publications] 河越幹男・前岡孝司: "テ-パ付エア-リフト気泡塔の流動特性" 化学工学論文集. 22巻・3号. 629〜634 (1996)
-
[Publications] M.Kawagoe,Y.Nakamura and H.Noda: "Cultivation of Matsutake Mycelium in Bubble Column Bioreactors" 化学工学シンポジウムシリーズ″Horizon of Biochemical Engineering″. 57号. 109〜112 (1997)
-
[Publications] 河越幹男・三木功次郎・直江一光: "バイオ生産プロセスにおける培養・センシング・分離精製" '96国際食品工業展アカデミックプラザ. (1996)
-
[Publications] 河越幹男・吉田尚平: "テ-パ付エア-リフト気泡塔内の液流速分布及び液側混合特性" 化学工学会第29回秋季大会要旨集. H104 (1996)
-
[Publications] M.Kawagoe: "Application of the Bubble Column in Biotechnology" The Fourth Japan-Korea Symposium on Separation Technology. 623〜626 (1996)
-
[Publications] M.Kawagoe: "Flow Characteristics and Mixing Properties in an External-Loop Airlift Column with a Tapered Riser" The Fourth Japan-Korea Symposium on Separation Technology. 231〜234 (1996)
-
[Publications] 三木功次郎・村井久子・木下英明・池田篤治: "電子伝達メディエータ存在下における真菌類固定化電極の電流応答" 96'電気化学秋季大会. (1996)
-
[Publications] 村田昌代・直江一光・河越幹男・今井正直: "逆ミセルを用いたタンパク質抽出における塩酸グアニジン添加効果に対する温度効果" 化学工学会第61年会要旨集. H309 (1996)
-
[Publications] K.Naoe,S.Matsumura,Y.Mawatari,M.Kawagoe and M.Imai: "Selective Extraction of Subtilisin BPN' from Bacillus Subtilis Using Reverse Micelles" The Fourth Japan-Korea Symposium on Separation Technology. 409〜412 (1996)
-
[Publications] K.Naoe,K.Yamamoto,M.Kawagoe and M.Imai: "Hydrodynamic Properties of Protein with low concentration of guanidine hydrochloride on solubilization into organized-assemblies" 3th Workshop "Principles of Protein Architecture". 188 (1996)
-
[Publications] 直江一光: "逆ミセルによるタンパク質分離の高効率化のための抽出条件" 第33回液膜研究会研究講演会. (発表予定). (1997)
-
[Publications] 喜多豊・直江一光・河越幹男・今井正直: "AOT逆ミセルを用いたタンパク質抽出における糖類添加の効果" 化学工学会第62年会. (発表予定). (1997)
