1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合志 陽一 東京大学, 工学系研究科, 教授 (90111468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 慎二郎 東京大学, 工学系研究科, 助手 (80222222)
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Keywords | 蛍光X線 / 分光 / しきい条件 / Spring-8 / アンジュレーター |
Research Abstract |
第3世代の放射光光源SPring-8では硬X線域において高輝度なアンジュレーター放射が利用可能になる事に着目し、微小なX線ビームを用いてしきい条件下での蛍光X線分光を実現することを目的とした。平成9年度は以下の2課題に取り組んだ。 1)波長分散型蛍光X線分光系の改良と通常X線源を用いた評価 微小なビームによる励起である点を考慮して1枚の平板分光結晶で分散されたスペクトルを位置敏感検出器(PSPC)で測定する分光系を開発したが、PSPC前に細い走査可能なスリットを設置し、PSPCを用いる場合よりも位置分解能を向上させることを可能にした。Spring-8の利用開始前に通常X線源を用いて分光系の評価を行い、X線管からのCuKα1,2線をPSPC、スリットスキャンを用いる2つの方法でそれぞれ測定した。理論計算値と比較して期待したエネルギー分解能と強度を得ることができた。 2)放射光を用いた高分解能蛍光X線分光 Spring-8からのアンジュレーター放射を用いて100μm径程度の領域についてNiK吸収端近傍でのしきい励起条件での測定を行った。試料として用いたNi箔中の不純物からの蛍光X線に加えてラマン散乱を観測し、励起X線エネルギーによるラマン散乱されたX線のエネルギー、強度の変化を測定した。これまで充分なビームタイムを確保できていないため測定例は限られているが目的としたしきい励起条件での測定が実現した。
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Research Products
(1 results)