1996 Fiscal Year Annual Research Report
自動車排ガス制御用高温作動一酸化窒素センサーの開発
Project/Area Number |
08555212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水崎 純一郎 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90092345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 憲一 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (50270830)
二唐 裕 東北大学, 科学計測研究所, 講師 (90006148)
川田 達也 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (10271983)
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Keywords | 酸化窒素センサー / 二酸化窒素 / 一酸化窒素 / ペロブスカイト型酸化物 / 酸化窒素触媒 / 導電性酸化物 / 導電率 / 非平衡 |
Research Abstract |
高温燃焼で生成する微量酸化窒素は800℃程度以下の排ガス中では非平衡であり、適切な触媒の表面では二酸化窒素は強力な酸化剤、一酸化窒素は分解反応経路によって酸化剤にも還元剤にも働く。しかし、適切な触媒がないと分解しない。これらの分子が触媒上に次々と供給され定常的に分解するとき、触媒はその分解時に酸化窒素から解放される強力な酸化力(あるいは還元力)に包まれ、気相中の酸素ガス分圧に比べて極めて高い(あるいは低い)酸素分圧下にあるのと同じ状態になるであろう。この時、触媒となっている酸化物のバルク物性変化を検知すれば高温作動する窒素酸化物センサーができると期待される。本研究におけるこの着想を検証するため、本年度は鉄系導電性ペロブスカイト型酸化物が600-800℃の酸素雰囲気(1-10^<-4>atm)で、その雰囲気に数十PPm以上の酸化窒素が混入すると導電率が酸素のみの時に比べて大幅に変化する現象の詳細測定を進め、この酸化物に対して二酸化窒素がその分圧の2乗に比例するような実効的な酸素分圧を持つこと、600℃では1000ppmの二酸化窒素が大気中の酸素と同等の実効的な酸素分圧を示すことなどを明らかにし、米国電気化学会(平成8年10月)で報告した。また雑誌論文を準備中である。 更に、銅系、チタン系のペロブスカイト型酸化物について同様の導電率を主体とした計測を進め、一酸化窒素が還元剤として働く例を見出しつつある。現在、詳細なデータ解析を進めている。 また、導電率の酸素分圧依存が小さいマンガン系やコバルト系の酸化物でも同様な実効酸素分圧の変化が起きている可能性を考え、これらの酸化物の酸素ポテンシャルの変化を固体電池を用いて計測するため、固体電解質上にこれらの酸化物の緻密膜を作製する手法を確立した。次年度から本格測定に入る予定である。
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