1996 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ重合法を用いた高性能イオン交換膜型燃料電池使用ガス電極の開発
Project/Area Number |
08555215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小久見 善八 京都大学, 工学研究科, 教授 (60110764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内本 喜晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (50193909)
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Keywords | プラズマ重合 / イオン交換膜 / 燃料電池 / ガス電極 / メチルベンゼンスルホネート / ジフルオロエテン / スルホン酸基 |
Research Abstract |
イオン交換膜を電解質として用いるイオン交換膜型燃料電池(PEFC)は高出力密度が得られることから電気自動車用などの移動体の燃料電池として注目されている。このPEFCにはガス電極が用いられているが、高い性能を得るためには電極と電解質との接触面積を向上させる必要がある。本研究では、非平衡プラズマを励起源とするプラズマ重合法を用いて、電極触媒層を均一なフッ素系イオン交換膜で被覆することにより、高性能PEFC用ガス電極を開発することを目的とする。 本年度は、プラズマ重合法によって膜内に強酸基であるスルホン酸基を固定したフッ素系カチオン交換膜の作製法を検討した。スルホン酸基の供給源としてはメチルベンゼンスルホネート(MBS)、フッ素系骨格源として1,1-ジフロオロエテン(VdF)を用いた。両者をプラズマ中に導入することによってイオン交換性を有する薄膜を形成することができた。プラズマ印加電力を上げると析出速度が上がり、またフッ素含有量が増加することが示された。しかし、印加電力を上げすぎるとスルホン酸基の分解が進むため過度の電力の印加は好ましくないことが示された。VdFの流量を増加することでも析出速度とフッ素含有量の増加が見られたが、印加電力の時と同様にスルホン酸基の分解が進むことが示された。これはVdFの分解によって生じた活性フッ素種によりスルホン酸基の分解が引き起こされるためではないかと考えられる。
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