1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555251
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
経塚 雄策 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (80177948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 寛之 三井造船, 昭島研究所, 主任研究員
柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00161026)
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40155859)
小寺山 亘 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (80038562)
磯辺 篤彦 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (00281189)
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Keywords | 浅海域の波浪推算 / 振動水中翼 / 消波装置 / 能動制御 / 波浪推力 / 波浪漂流力 |
Research Abstract |
平成10年度の研究では、沿岸波浪の推算を行うために、まず波浪データの収集を行うとともに、海底地形による波浪変形を考慮するために「エネルギー平衡方程式」による浅海波浪変形解析プログラムの開発を行った。例として、福岡県津屋崎沖における波浪推算を行い、応用力学研究所の海洋観測ステーションで観測された波浪データと比較した。 次に、水中翼と穴あき板を組み合わせた没水体による消波装置の3次元模型を作製し、水槽実験を行った。実験状態は、水中固定時、自由動揺時、および動揺制御時とし、波浪中の動揺性能および消波効率などを計測した。固定時には、没水体に加わる波浪強制力を3分力計によって計測し、2次元計算値と比較したところ概ね良い一致が得られた。このことから、今回の模型については3次元影響はそれほど大きくないことが分かった。ただし、没水深度が小さい場合には自由表面の非線形影響により波浪強制力の実験値は理論値に比べて小さい。 自由動揺時には、振動翼が発生する推力と没水体の波浪漂流力がバランスして中立位置を保ちうることを実験的に明らかにした。ただし、その時の消波効率の実験値は自由表面条件の非線形性により、理論値の約半分と予想以上に小さいので消波装置としてはそれほど有効ではないことが分かった。従って、振動水中翼が発生する推力を利用し、波浪漂流力を打ち消すためには浮体の消波装置との組合せを考えるべきだと思われる。 動揺制御時については、自由動揺時に較べると消波効率が良くなりかつ周波数範囲も広くなるので一定の効果があった。ただし、没水深度が小さなところではやはり砕波などの影響があるので、定量的には難しい面がある。特定の狭い範囲の周期については、受動制御でもかなり有効であるので、海域の卓越波浪に合わせた受動型の消波装置が有効であると思われる。
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Research Products
(1 results)