1998 Fiscal Year Annual Research Report
固体-油-水3相系の界面現象を利用した固体超微粒子の分離精製法の開発
Project/Area Number |
08555257
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
日下 英史 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (60234415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新苗 正和 京都大学, 工学研究科, 助手 (50228128)
福中 康博 京都大学, エネルギー化学研究科, 助教授 (60111936)
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Keywords | 炭化ケイ素 / 酸塩基反応 / 炭化タングステン / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究では、まず、研磨剤として用いられている炭化ケイ素の微粒子を含有した切削・研磨屑から炭化ケイ素を分離回収する浮選プロセスの構築を将来の目標とし、その基礎現象となる粒子表面と捕収剤などの浮選剤との反応性を把握するうえで最も重要と考えられる粒子表面の酸塩基特性について検討を行った。界面動電位の測定及び酸-塩基滴定の結果から、水溶液中の炭化ケイ素粒子表面には表面水酸基が発現し、表面水酸基のプロトン付加及び脱プロトン反応により粒子表面に電荷が生じていると考えられる。また、等電点はpH=5.8であった。また、酸-塩基滴定及び吸着実験の結果から、K^s_<a1>(int)=2.0、K^s_<a2>(int)=9.6、K^s_<M(Mg)>(int)=10.0及びK^s_<M(Cu)>(int)=2.6の酸解離定数が得られた。水溶液中の炭化ケイ素粒子表面に発現した表面水酸基は、その大半が広いpH領域で荷電しないで存在していると考えられた。 粒子表面の結晶性と界面化学的微粒子分離法との相関性を検討することは非常に重要である。本研究では、超硬合金として広く利用されている、炭化タングステンの結晶成長性について検討を行った。X線回折測定装置により基板表面上での炭化タングステン薄膜の成長過程を観察することにより、ある種結晶面について優先的な配向が認められた。この成長過程について反応速度論モデルを用いて解析を行った。
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[Publications] 穐吉哲平,福中康博,日下英史,菊池潮美: "CVD法によるTiC_<1-x>膜の反応機構と成長速度" 1998年電気化学秋季大会講演要旨集. 2M07 (1998)
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[Publications] 日下英史,矢野史宗,福中康博,石井隆次: "金属炭化物粒子表面の酸塩基特性" 1999年度資源・素材学会春季大会一般発表講演要旨集. (1999)