1997 Fiscal Year Annual Research Report
PZT素子を用いた高精度弾性波速度測定技術に関する試験研究
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08555258
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐野 修 山口大学, 工学部, 教授 (20127765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 力 西松建設(株), 技術研究所・土木技術部, 土木技術課長(研究職
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
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Keywords | 高分解能 / 弾性波速度 / 岩盤 / モニタリング / 長期安定性評価 / 長期遮蔽性評価 |
Research Abstract |
本研究の目的はppmのオーダーの弾性波速度変化の測定技術の実用化である.このような微小な速度変化のモニタリングは極めて長期間にわたる岩盤内地下構造物周辺岩盤の安定性や遮蔽性の評価手段の一つと考えている.岩盤物性および応力状態に依存するが、ppmのオーダーの速度変化は,1hPa〜10hPa程度の応力変化に対応するので,極めて小さな応力変化を検出する目的にも使用できる.今年度は当初の計画どおり地下構造物周辺の岩盤の遮蔽性や安定性のモニタリング技術の開発を目標として,現在16mの距離で測定を行なっている釜石鉱山の花崗岩岩盤をテストサイトして120mまで測定可能距離を延長を検討した.平面波を仮定した簡単な予備計算によると,現在と同じ測定条件すなわち卓越周波数25kHzのパルスを用いた場合,120m遠方では受信振幅が1億分の1を4回かけただけ(10^<-32>)小さくなることがわかる.球面波を考慮するとさらに小さい.これでは計測不能なので卓越周波数を6kHz程度まで低下させることを考えた.圧電素子の振動は単純ではなく,加えるパルスの幅を広げるだけでは発振周波数は低下しない.4倍厚い圧電素子を用いれば卓越周波数は約1/4になるが,出力も1/4になる.薄い圧電素子を積層し,電気的に並列に接続すると出力低下は防げるが,過渡的な電流が多くなる.室内実験によりこれらの問題を検討し,作製した8kHz対応型発振子を作製した.この発振子に1kVのパルスを負荷し,受信信号を64万回積算することにより,実用に耐える波形を受信することができた.この成功により,比較的高い周波数パルスを用いた岩盤精密計測が可能になるものと考えている.来年度は連続計測を検討する.
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