1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08556002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内宮 博文 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50142229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚谷 裕一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (90260512)
梅田 正明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80221810)
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Keywords | 大量クローン化 / データベース / 遺伝子資源 / イネ / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本研究では、育種上有用な遺伝子群の大量クローン化とそのシステムの開発を試みている。研究用の材料としてイネ、シロイヌナズナの個体ならびに培養細胞を用いてcDNAライブラリーを作成し、ランダムプライマー法、又はpolyA付加法などによりライブラリーを数種類得た。各cDNAの塩基配列は部分的に300塩基程決定し、データベースにより解析した。いくつかの遺伝子については全長の塩基配列を決定した。また、多数のサンプルを同時に解析可能なコンピューターデータベースの確立を目指し、得られた遺伝子断片の機能による分類をマクロレベルで試みた。その結果、特定の組織や特殊なストレス条件下で発現する遺伝子群のグループ化に成功し、エネルギー代謝やデンプン合成、蛋白質の貯蔵といった基本的な生理プログラムに関与する一連の遺伝子の単離同定に至った。以上の結果は、この手法が生物生産の拡大に結び付く遺伝子資源の確保に有効であることを示唆した。一方、発現量の低い遺伝子の効率的な単離に向けて、Subtraction法およびDifferential display法をイネの根の各切片を用いて試みた。得られた遺伝子断片を用いてNorthern hybridizationによりさらに詳細な発現量の差を解析したところ、根の各部分において異なる発現パターンを示す遺伝子を多数得ることに成功した。これらのcDNAを用いて組織レベルの発現解析を行ない、育種上重要な組織(花粉、種子など)で機能する遺伝子群の同定を行なった。
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[Publications] Hihara,Y.: "Isolation and characterization of two cDNA clones for mRNAs that are abundantly expressed in immature anthers of eice(Oryza sativa L.)." Plant Molecular Biology. 30. 1181-1193 (1996)
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[Publications] Nozue,F.: "Characterization of cDNA encoding for phosphoglucose isomerase of rice(Oryza sativa L.)." DNA Sequence. 6. 127-135 (1996)
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[Publications] Oba,S.: "Novel DNA probes capable of discriminating Indica Japonica rice cultivars." DNA Sequence. 6. 303-306 (1996)