1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08556005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 教授 (70033272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 俊朗 岡山県立農業試験場, 果樹部, 研究員
小原 章男 東芝ライテック(株), 技術本部, 技師長付
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 助教授 (60135548)
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Keywords | ブドウ / 施設栽培 / 人工光 / 長日処理 / 暗期中断 / 形態形成 / 紫外光照射 / アントシアニン |
Research Abstract |
(1)ブドウの生長と形態形成に対する光の作用性:ピオ-ネについて分光特性の異なる5種類のランプで長日処理(16時間日長)を行った。新梢生長は、赤色光波長域の光強度が高いシリカ電球、育成用ランプおよび赤色光ランプで優れた。昼白色ランプの生長はこれらに次いだが、その光強度が小さい青色光ランプでは著しく劣り、無電照と同様であった。ブドウ3品種に対して、自然日長の異なる3時期(12月、2月、3月)から4カ月間、加温条件下でシリカ電球、育成用ランプおよび赤色光ランプで長日処理を行った。長日処理効果は、新梢生長ではピオ-ネで最も大きく、デラウエアがこれに次ぎ、マスカット・オブ・アレキサンドリアで最も劣り、特に自然日長の短い時期ほど処理効果が大きかった。花芽形成に対する長日処理効果は、ピオ-ネでは自然日長の短い時期、これ以外の品種ではいずれの時期の処理でも認められた。これら長日処理効果のランプ間差は小さかった。(2)ブドウ栽培用ランプの試作・開発:(1)の結果に基づき、発光ダイオードを使って450と660nmにピークを示すランプを試作し、現在その長日処理効果を検討中である。(3)人口光原によるブドウ栽培技術の開発:ピオ-ネの二期作栽培において、二期作目の新梢や果粒の生長を促すには14時間以上の日長を与える必要があること、日長時間が長いほど長日処理の効果が大きいこと、23〜1時のような暗期の中央での暗期中断は16時間日長よりも長日処理の効果が大きいことが明らかとなった。(4)紫外光によるブドウ果粒の着色促進技術の開発:紫外光(UV-A)照射はブドウ果皮のアントシアニン蓄積を促したが、その程度は品種によって大きく異なること、成熟期後半だけの照射でもアントシアニン蓄積に有効であること、グロー・コールマン果皮のアントシアニン組成は紫外光照射に影響されないことなどが明らかとなった。
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