1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08556005
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 教授 (70033272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 俊朗 岡山県立農業試験場, 果樹部, 研究員
小原 章男 東芝ライテック(株), 技術本部, 技師長付
福田 文夫 香川大学, 農学部, 助手 (60294443)
片岡 郁雄 岡山大学, 農学部, 教授 (60135548)
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Keywords | ブドウ / 発光ダイオードランプ / 長日処理 / 新梢生長 / 花房分化 / 紫外光 / アントシアニン生成 / PAL遺伝子 |
Research Abstract |
(1)ブドウ3品種に対する異なる波長での長日処理:デラウエア、ピオーネおよびマスカット・オブ・アレキサンドリアを供試し、12月下旬から約4カ月間、青色の450nm(LED450)と赤色の660nm(LED660)にピークを持つ発光ダイオードランプ、両波長半分ずつの発光ダイオードランプ(LED450+660)および遠赤色の730nmにピークを持つ蛍光灯で長日処理(16時間日長)した。新梢伸長は、各品種ともLED660で優れ、特にデラウエアとピオーネで旺盛であった。副梢生長には処理区間に差がなかった。花房原基数は、ピオーネでは長日処理した各区、デラウエアではLED450+660で多かったが、マスカット・オブ・アレキサンドリアでは処理区間に大差なかった。(2)異なる波長での2作連続の長日処理:(1)で用いた個体について、8月上旬から約3カ月半、同様のランプおよび方法で2作連続して長日処理した。新梢伸長は、マスカット・オブ・アレキサンドリアでは730,LED660、LED450+660の順に優れたが、他の品種では処理区間に差がなかった。副梢生長は、ピオーネとマスカット・オブ・アレキサンドリアではLED660とLED450+660で優れた。花房原基数は、各品種とも長日処理した各区で多かったが、デラウエアでは処理区間差が小さかった。 (3)ブドウ果皮のアントシアニン生成に対する紫外光(UV-A)照射効果とアントシアニン生合成におけるPALおよびmyb遺伝子の関与:果皮のアントシアニン蓄積に及ぼすUV-A照射の効果はピオーネよりもグロー・コールマンで大きかった。アントシアニンの増加にはPAL活性が関係しており、幼果期にみられる高いPAL活性は果実生長、成熟開始期にみられる小さなPAL活性は着色に関係していると思われた。RT-PCR法によって3種類のPAL遺伝子断片および6種類のmyb遺伝子断片を得た。このうち、アントシアニン生合成に関わる遺伝子は主としてmyb11.PAL5、およびPAL14であると推察された。
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