1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08556014
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
桂樹 徹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (80081579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 信行 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10273848)
小野寺 慶子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70202380)
古久保 哲朗 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10271587)
北川 久雄 オリンパス光工学工業株式会社, 光学機器開発部開発三グループ, 研究職(係長)
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Keywords | スクリーニング / サイトメトリー / レーザー顕微鏡 / ミクロマニピュレーター / アスタキサンチン |
Research Abstract |
[目的] スライドグラス上をレーザーにより走査して個々の細胞の蛍光を測定し、サイトメトリー解析ができる顕微鏡slide-based laser scanning cytometer(LSC)は「サイトメーター顕微鏡」と呼ぶべき装置で、データの解析により、望む情報を持つ細胞の画像と座標値を呼び出す機能を備えている。本研究では、その細胞を分取するためにこの顕微鏡にミクロマニピュレーターを組み込み、「セルソーター顕微鏡」と呼ぶべき装置を開発する。 [方法と結果] 蛍光を持つカロチノイドアスタキサンチン(ASX)を生成する単細胞緑藻Haematococcus pluvialisをモデル系とした。緑藻をサイトメトリー分析するため条件として、ASXに最適な励起光の波長を387nmと求めた。レーザー(488nm)で励起した時のASXおよび緑藻の懸濁液の蛍光は735nmで極大となったが、極めて微弱であり、直接にASXの含量をモニターすることは難しく、570nm以上の波長の全蛍光を測定した。 生育に伴う緑藻細胞の形態の変化を「サイトメーター顕微鏡」により解析した結果、細胞の成熟に伴い蛍光面積値(細胞の画像の面積)が上昇していた。蛍光面積値が高いシスト細胞、すなわち大きな細胞はASXを高濃度に蓄積していると考えられたので、「セルソーター顕微鏡」により蛍光面積値の高いシスト細胞を分取した。(しかし、そのシスト細胞を植え継ぎ、培養して再びシスト化させた、次世代の細胞は、再びサイトメトリー解析したところ、必ずしもASXを高濃度に蓄積せず、サイトグラムは変化しなかった。薬剤変異処理により高濃度蓄積変異株をスクリーニングした結果も同様であった。) [総括] 構築した装置は目的にかなう性能を持つ。顕微鏡部分を倒立にし、画像処理ソフトウェアを組み込めば、容易に高精度にミクロマニピュレーターを操作できる実用機を得ると考察した。
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Research Products
(1 results)