1998 Fiscal Year Annual Research Report
食品アレルギー誘発物質の検索とアレルギー低誘発性・アレルギー抑制食品の開発研究
Project/Area Number |
08556020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野川 修一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 稔夫 雪印乳業株式会社, 育児品営業部, 研究開発員
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Keywords | 食品アレルギー / 化学物質 / インターロイキン(IL)-4 / 抗体応答 |
Research Abstract |
本研究では,食品関連の各物質がアレルギー応答に関係のある免疫応答に与える影響をin vivo実験系を用いて解析した.C3Hマウスにカゼイン飼料を摂取させることにより血中抗体応答が誘導されることを明らかにしている.そこで,この実験系を用いて経口摂取抗原により誘導される抗体応答に対する化学物質の影響を検討した.化学物質としてはβ-ベンゼンヘキサクロライド(β-BHC),p,p'-ジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE),2,〓6-トリクロロフェニルエーテル(CNP),D-α-アミノベンジルペニシリン(Amp),o-アセチルクエン酸トリブチルエステル(ATBC)を選んだ.その結果,それぞれの物質において,投与法,投与量,抗体アイソタイプなどにより与える影響が異なり,複雑な効果が観察された.また,卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞のT細胞抗原レセプター遺伝子を導入したトランスジェニックマウスにOVA飼料を摂取させることにより,脾臓中にIL-4産生能の高いT細胞が誘導され,血中IgE応答が誘導されることを見出した.そこで,この系を用いて食物アレルギーの関わる免疫応答に対し化学物質が与える影響について検討した.その結果,ATBCを添加したOVA飼料を摂取した群においては脾臓細胞のIL-4産生が抑制された.これらの実験系はアレルギー応答に関わる免疫応答に影響を与える食品成分の検索に有用と考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Yoshida ら: "Induction of oral tolerance in splenocyt-reconstituted SCID mice" Clin.Immunol.Immunopathol.87. 282-291 (1998)
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[Publications] M.Totsuka ら: "Enhancement of antigen-specific IFN-γ production from CD8^+T cells by single amino acid-substituted peptide derived from bovine α s1-casein" Clin.Immunol.Immunopathol.88. 277-286 (1998)
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[Publications] A.Hosono ら: "Comparison of the immumopotentiating activity with structural characteristics among water-soluble polysaccharides isolated from the genus bifidobacterium" Bioscience Microflora. 17. 97-104 (1998)