1996 Fiscal Year Annual Research Report
高耐圧性の汎用光学測定セルと専用分光分析装置の試作研究
Project/Area Number |
08556021
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 力丸 京都大学, 農学部, 教授 (90027186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 昭治 テラメックス(株), 開発部, 主任研究員
小澤 省吾 京都大学, 農学部, 助手 (20273493)
高橋 敞 京都大学, 化学研究所, 教授 (20022593)
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Keywords | 高圧力 / 高圧バイオサイエンス / 高圧分光測定 / 圧力変性 / 圧力失活 |
Research Abstract |
本研究課題は、高圧力下の分光分析を必要とする食品化学と生化学の研究を遂行するため、一定の高圧力に保持したままの変化とともに、所定の速度で昇圧力または降圧力しながらその過程の変化を測定する、汎用耐高圧光学測定セルと専用分光分析装置の試作研究をなすことを目的としている。そのため、第一にすでに研究室に既存の紫外可視分光光度計や蛍光分光光度計、並びに円二色性測定装置に適合し得る汎用の高耐圧性光学測定セルを設計試作し、高圧力環境下に置かれた生化学試料の分光的特性(吸光度、蛍光強度、円二色性)を観察し、圧力がタンパク質試料の分子構造、反応性、物性などに及ぼす影響を検討した。性能として、耐圧が最大500MPa(常時使用圧力400MPa)、測定波長域は紫外可視領域(200〜700nm)とし、セル容量は0.5〜1.0ml以下の微量の試料を測定できるように設計した。特に、円二色性測定用セルは装置の構成が複雑であるため、現有装置に適合する形状に設計した。材質は耐圧性の優れた素材(SUS-630)で構成し高圧配管でポンプに接続し測定試料に圧力を加える方式をとる。測定セルとポンプの間の圧力媒体は圧力伝導ユニット(フリーピストン)で区切り、相互の接触を防止した。さらに、試料温度の調節も可能とし、測定セルを分解せずに試料の入れ替えとセル内壁の洗浄ができるように設計した。加圧下でのタンパク質の円二色性のセルはサファイアやダイヤモンドの結晶形や厚さなどを変化させて試作し、歪みの影響を繰り返しテストし、信頼性を高めるように検討した。 高耐圧光学セルを内蔵した専用分光分析装置の制作は、性能として耐圧が最大500MPa(常時使用圧力400MPa)、測定波長域が紫外可視領域(200〜700NM)、波長分解能が2.5nmとし、測定モードは吸光度、蛍光強度、光散乱強度の測定用とする。このため、光源ユニットは光長、吸光度、蛍光、散乱などの測定モードや目的に応じて各種交換できるよう設計を現在行っている。
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