1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08556025
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Section | 試験 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
富田 文一郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40012075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 幹夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40191978)
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50183455)
大井 洋 筑波大学, 農林工学系, 講師 (20201965)
黒田 健一 筑波大学, 農林工学系, 教授 (80015908)
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Keywords | リグニン / オゾン酸化 / 水溶性エポキシ化合物 / 動的粘弾性 / ガラス転移 / 高分子化 / 樹脂化 |
Research Abstract |
リグニンをオゾン酸化すると、共役二重結合の両末端にカルボキシル基またはエステル基を有するムコン酸誘導体が生成し、新たな官能基が導入されるので種々の化学的な修飾が可能となる。本研究では、リグニンやオゾン酸化リグニンがアルカリ水溶液に溶解することを利用し、これと水溶性エポキシ化合物と硬化剤を混合するだけで樹脂化するシステムを開発することを目的としている。そのため各種リグニンを水溶性エポキシ化合物の反応性と硬化した樹脂の物性を詳細に検討した。 リグニンと水溶性エポキシ化合物の反応性を検討したところ、緩和な条件下でリグニン中の官能基とエポキシ基の反応だけでゲル化することが確認された。硬化樹脂フィルムは有色ながら透明であり、この系が相溶系であることが確認された。また、各種の溶剤に殆ど不溶であることから三次元網目構造が形成されていることが確認された。 動的粘弾性の測定の結果、リグニン含有率が増加するに従って、硬化樹脂のガラス転移温度が高温側に移動し、幅広い緩和機構を示した。一方、エポキシ化合物や硬化剤の種類を選択することで網目類の撓み易さが変化することを見出し、硬化樹脂のガラス転移温度を任意に設計できることが判明した。また、構造のことなる2種類のエポキシ化合物をブレンドした系では、ガラス転移に起因するピークが1つしか見られないことから、ある種の相互侵入型高分子網目(IPNs)が形成されている可能性を認めた。また、全ての硬化樹脂は、低温域に大きな副分散を有しており、この緩和機構の寄与によりダンピング材料等への応用が期待できる。
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Research Products
(1 results)