1997 Fiscal Year Annual Research Report
丸太など心持ち大断面材乾燥への高周波加熱減圧法適用システムの開発的研究
Project/Area Number |
08556029
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
又木 義博 九州大学, 農学部, 教授 (50038212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 登留 九州大学, 農学部, 助手 (80238617)
谷口 義昭 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50240859)
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Keywords | スギ / 心持ち角材 / 熱風乾燥 / 高周波加熱乾燥 / 熱風-高周波加熱併用乾燥 / ドライングセット / 乾燥応力 / 割れ |
Research Abstract |
本年度は、最も心持ち大断面材としての需要量が多いスギの心持ち柱材を対象に適正乾燥法の開発を行った。まず、熱風乾燥(乾球温度80℃、湿球温度75℃一定)単独で乾燥した場合の材面幅方向応力の経過を測定した。その結果、乾燥初期から引張応力が増大し、含水率40〜30%で極大値を示す。その後含水率20%付近で、応力の転換が起こり、圧縮応力となる。すなわち、今回の条件における熱風単独乾燥の場合、20%以下まで乾燥することにより、乾燥材としての割れに対する品質安定性が高くなることが示唆された。さらに、熱風→高周波加熱併用法(前段に熱風乾燥、後段に高周波加熱乾燥を行う併用法で、前段に表層の引張セットを形成し乾燥材の割れ抑制を試みるとともに、内層の水分を高周波加熱で短時間に除去することをねらったもの)の切り替え含水率をこの結果から考えると、引張応力が極大値をとる含水率40〜30%以降まで熱風乾燥する事により、引張セットが効率よく形成されるものと推察できる。この切り替え含水率を変えて、仕上がり含水率12〜17%までこの併用乾燥を行ったところ、乾燥後の材面幅方向応力は、どの切り替え含水率においても圧縮応力で、特に切り替え含水率30〜20%で大きな値を示した。また、逆の併用乾燥(高周波加熱→熱風)を行ったところ、乾燥中に比較的大きな割れの発生が見られた。高周波加熱乾燥では、比較的はやい段階に表層で圧縮応力が見られたことから、表層で圧縮セットが形成されたものと考えられる。 併用乾燥をバッチ式で行うことを目的に、極板の改良を行った。材内温度はファイバー式温度計、表面温度は非接触表面温度計(放射温度計)で測定することにより、凹凸極板は熱風乾燥が可能で印加効率の良い極板であることが分かった。乾燥材の表面色は、今回の条件における熱風、高周波、および併用乾燥において大きな差は見られなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤本登留: "スギ心持ち柱材の乾燥 高周波加熱乾燥における極板形状およびすきま量の設定の影響について" 日本林学会九州支部研究論文集. 第51号(印刷中). (1998)
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[Publications] 藤本登留: "心持ち大断面材乾燥への高周波加熱適用システムの開発 材面応力を基にした熱風、高周波併用の検討" 日本木材学会大会研究発表要旨集. 第48号(印刷中). (1998)