1998 Fiscal Year Annual Research Report
丸太など心持ち大断面材乾燥への高周波加熱減圧法適用システムの開発的研究
Project/Area Number |
08556029
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
又木 義博 九州大学, 農学部, 教授 (50038212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 登留 九州大学, 農学部, 助手 (80238617)
谷口 義昭 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (50240859)
|
Keywords | スギ / 葉枯らし材 / 心持ち柱材 / 高周波加熱乾燥法 / 乾燥速度 / 乾燥応力 / 表面割れ |
Research Abstract |
本年度は、スギ葉枯らし材から木取った心持ち柱材の高周波加熱乾燥の有効性について検討した。葉枯らし用供試木は、九州大学農学部附属福岡演習林(標高280m、北西斜面、林齢37年生)の林分から胸高直径約24cmの4本を選木供試し、初夏にそれぞれ地際から伐倒して166日間林内に放置した。各供試木の伐採切断面から樹高方向に3,6,9mの位置で木工錐により横断面放射方向に髄近辺まで穴を開け、その際に出てくる切り屑を辺材、心材別に採取し、それぞれの含水率を全乾法で測定したところ、伐倒時辺材部含水率はいずれも120%〜180%の高い値を示し、一方心材含水率は50%〜80%の範囲内でばらついていた。その後葉枯らしにより心材含水率は大きな変化は見られないものの、88日後までは辺材部で大きな含水率低下が見られた。これら葉枯らしされた丸太と伐倒直後の丸太から、心持ち柱材を採取し、高周波加熱乾燥(中心温度が100℃〜110℃になるように手動で断続発振制御)を実施したところ、葉枯らし材から木取った柱材は柱材全体の含水率が低いばかりでなく、外周部である辺材含水率が低いことから、内部加熱による乾燥が有効に働いて乾燥速度まで速くなり、含水率20%まで約半分の乾燥時間であった。また、葉枯らし材は未処理材に比べ割れ発生が少なかったが、材面辺材部の材色は葉枯らし材と未処理材の高周波加熱乾燥後で明確な違いは見られなかった。なお、割れに関与する材面幅方向応力を乾燥過程で測定したところ、極端に外周部含水率が高くはならないため、その材面応力は未処理材のような大きな圧縮応力は見られなかった。すなわち、材面の圧縮セットが小さいことが予測され、乾燥後の横断面含水率が均一化する段階での割れ発生が未処理材に対して抑えられるものと期待された。
|