1996 Fiscal Year Annual Research Report
自然冷熱エネルギを利用したヒートパイプ型凍土低温貯蔵庫の構造と性能に関する研究
Project/Area Number |
08556036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
土谷 富士夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30003130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 雅三 北海道地下資源調査所, 研究技術員
了戒 公利 清水建設(株)技術研究所, 主席研究員
丸山 純孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003137)
石橋 憲一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (60003117)
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Keywords | 自然エネルギ / 冷熱エネルギ / 土壌凍結 / 電気探査 / ヒートパイプ / 貯蔵施設 |
Research Abstract |
1987年に建設されたヒートパイプ型低温貯蔵庫内の50箇所の温度測定を行った結果、貯蔵庫底部の温度が最も低く、永久凍土が残存する部分が最も大きかった。庫内温度は8月が最も上昇したが、約3度以内であった。冬期の凍土形成にともなう構造物の変形をみると、前室の底部が20cmほど凍上が発生した。また貯蔵室全面の下部に凍結膨張が発生し、ジオテキスタイルの破損が見られたことから、今後の対策が必要である(土谷担当)。 秋季に貯蔵したバレイショ、ナガイモ、ニンジン、ゴボウおよびタマネギの野菜類の減耗率を測定しているが、目下低下率2%以下で良好な貯蔵状態にある。また、継続調査中であるが、リンゴの水分は30〜32%で、表面硬度は多少減少し、糖度は19〜17%と若干減少し、酸度は多少増加する傾向にあることが判明した(石橋担当)。貯蔵庫堤部と斜面における10年間放置によつて生じる自然植生の調査結果、カラマツの優先度が高く、周辺の防風林の風散布にるものである。シラカバ、ハンノキなどの木本類の侵入もみられた。草本植物はオオヨモギ、オオアワダチ草が見られたがその被度は小さいことが判明した(丸山担当)。 吸水性ポリマー・アクアリックを用いたヒートパイプによる現地凍結実験結果によると2月中旬に直径20cmの凍土層が形成されたが、3月中旬では直径40cmにまで発達しなかつた。その原因は2月の暖冬気象によるもので、中心から20cm離れた地点は0.05℃であるので、3月末にマイナスになると推測される(了戒担当)。 電気探査機を使用して凍土の24点の比抵抗値を測定した結果、凍土が造成期、最盛期、融解期によって大きな違いが生じることが判明した。比抵抗値の勾配を利用すると、いくつかパターンに分類でき、これから凍土の厚さの推定が可能であることがわかった(高見担当)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 土谷富士夫・了戒公利: "冷熱エネルギを利用した凍土低温貯蔵システム" 農業土木学会誌. 64巻3号. 231-235 (1996)
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[Publications] 土谷富士夫・高見雅三: "電気探査による土の凍結・融解プロセスの解析試み" 第31回地盤工学研究発表講演集. 2巻. 1345-1346 (1996)
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[Publications] 土谷富士夫・山崎祐樹: "石英含量の異なる自然土と凍結土の熱伝導率測定" 第31回地盤工学研究発表講演集. 2巻. 1361-1362 (1996)