1998 Fiscal Year Annual Research Report
携帯型メテオトロンの開発とその熱帯果樹の開花・結実水分生理研究への応用
Project/Area Number |
08556042
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
櫻谷 哲夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (00260612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守谷 孝志 小糸工業(株), 機電事業部, 課長(研究職)
伊谷 樹一 宇都宮大学, 農学部, 講師 (20232382)
宇都宮 直樹 近畿大学, 農学部, 教授 (60026622)
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Keywords | 環境制御 / チャンバー / 温度制御 / 湿度制御 / マンゴー / 開花生理 / 水分動態 |
Research Abstract |
平成10年度は、平成8年度に設計・作製され、平成9年度の性能テストでその実用性が確かめられた携帯型メテオトロンを用いて、開花と水分生理研究への応用を図るとともに、3年間の研究の取りまとめを行った。応用研究はすでにマンゴーを供試材料として平成10年冬期から開始され、メテオトロンで高温処理した枝には同年2月時点で花が着かないことが見出された。その後の追跡調査でも花芽分化は認められなかったが、無処理の枝には花が着生し平成10年8月には数個の結実をみた。 枝に取り付けた水流量センサーにより得られた水分動態の詳細な解析から、25℃処理枝の蒸散流は午前にピークを持つ明瞭な日変化を示すのに対し、無処理の枝の蒸散流は午後にピークを持つことが認められた。このことから両枝の間には水の競合が生じ、それが樹体の生理・生態に何らかの影響を及ぼしていたことが示唆された。メテオトロンの性能に関しては、チャンバー内に密な葉群を挿入すると、湿度の制御能力が低下することから適正な規模の葉群を挿入する必要があることがわかった。
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