1996 Fiscal Year Annual Research Report
体外受精による効率的子牛生産システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
08556046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丹羽 晧二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正史 神戸大学, 農学部, 助教授 (60093316)
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 教授 (60152617)
角田 幸雄 近畿大学, 農学部, 教授 (80217364)
宮本 元 京都大学, 農学部, 教授 (00026618)
奥田 潔 岡山大学, 農学部, 助教授 (40177168)
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Keywords | 牛 / 卵子 / 体外受精 / 胚培養 / 凍結保存 / 核移植 |
Research Abstract |
個々の関連技術について下記のような基礎研究を重点的に行った。 1.上皮成長因子(EGF)、牛成長ホルモン(bGH)およびインシュリン用成長因子(IGF-I)が牛未熟卵子の体外成熟におよぼす影響:種々の濃度(0-50ng/ml)のEGFを含む血清不含培地で未熟卵子を24時間培養した結果、成熟率は30ng/mlの濃度で最も高かった(88%)。また、体外受精後の精子侵入率、侵入卵子のその後の発生率はいずれも、10あるいは30ng/mlの濃度で高い傾向が見られた。一方、bGHおよびIGF-Iでは10-100ng/mlの範囲の濃度において、成熟率は高かったが、精子侵入率には、これらの因子の存否および濃度による差は認められなかった。 2.限定培地におけるカフェイン(C)、ヘパリン(H)およびグルコース(G)の存否が牛体外成熟卵子の体外受精におよぼす影響:精子侵入はCとHの両者あるいはいずれか一方が存在している時にのみ観察された。しかし、Gの存否にかかわらず、CとHの両者の存在下で最も高い侵入率(73-83%)が得られ、侵入卵の9-21%が胚盤胞にまで発育した。 3.単為活性豚卵子の発生培養に関する研究:牛胚のモデルとして、体外成熟後に電気刺激により活性化させた豚卵子の体外発生におよぼす幾つかの要因について調べた結果、浸透圧が重要な要因の一つであることが明らかとなった。すなわち、初期桑実胚を分岐点として、前半には高浸透圧、後半には逆に低浸透圧の条件が必須である。現在、この条件の適合性について、牛胚を用いて調べている。 4.その他、実験動物における受精卵子のガラス化凍結に関する研究および核移植に関する研究において、牛胚に適用されうる幾つかの知見を得ている。さらに、体内における卵胞の発育に対するオキシトシンの役割の一部も明らかにし、体外における卵子の成熟条件を考える上で有用な知見を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Magosaburo KASAI: "Fracture damage of embryos and its prevention during vitrifica ion and warming" Criobiology. 33(4). 67-75 (1996)
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[Publications] Kiyoshi OKUDA: "Functional oxytocin receptors in the bovine granulosa cells" Biology of Reproduction. 56(予定). (1997)
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[Publications] Miki SUGIMOTO: "Follicle survival in neonatal rat ovaries crypreserved by vitrification" Cryo-Letters. 17. 93-98 (1996)