1996 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノミックスキャニング法を起点とした優良・不良形質遺伝子プローブの開発
Project/Area Number |
08556047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩田 邦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80196352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後飯塚 僚 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (60205581)
小川 博之 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30012016)
佐々木 伸雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60107414)
三宅 陽一 岩手大学, 農学部, 助教授 (20002256)
小川 智也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30087572)
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Keywords | ゲノムメチル化 / CpGアイランド / RLGS法 / 形質遺伝子 |
Research Abstract |
本研究計画は、CpGアイランドを中心としたゲノミックスキャンニング法を中心に、制限酵素ランドマークをスキャンニングし、乳牛を中心とした遺伝性疾患のランドマークプローブを開発することを目的にしている。凍結精液による人工授精法は家畜、家禽、さらには野生動物にまで応用され、特にウシ、ブタ、綿羊では世界的に広く応用され、種雄畜の効率的利用によって改良・増殖に貢献してきた。現在では、乳牛では優れた形質のパラメーター(乳量、乳タンパク量、乳脂肪量、成長速度など)を基に選別された少数の雄ウシの精子が、極めて短期間のうちに世界中に配布され、産業の発展に大きく貢献している。ところが、遺伝性疾患、ウリジンーリン酸合成酵素欠損症、重度の発育不良や歯槽部の潰瘍、あるいは第一胃や小腸の潰瘍を主症状とするウシ白血球粘着不全症が人工授精により広がる可能性が報告され、優良形質のみでなく不良形質までも、凍結精液による人工授精の普及により、かつて考えられなかった速度で、世界規模で広まる結果となった。 申請者らは本年度、国内で広く飼育されている黒毛和種牛に特異的な遺伝性疾患である1/29型点座に関する研究を雌牛側および雄牛側の両面から行った。さらに、牛のXY性腺発育不全症の病因をPCRを主体とする手法で明らかにした。制限酵素ランドマークを二次元電気泳動で解析する、新しい概念に基づいたゲノミック・スキャンニング(RLGS法)法では、厳密な正確性と再現性をもってゲノム全体を一挙に検索することができる。申請者らは、このRLGS法を確立した。ランドマーク標識では、各スポットはそのコピー数を反映した強度が得られ、1コピー/ハプロイドゲノムの精度で解析することが可能であり、家系解析による遺伝地図作製の高速化や、突然変異によるDNA増幅・染色体欠失の検出にも威力を発揮する。
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Research Products
(1 results)