1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08557003
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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Keywords | エバネッセント光 / Kチャンネル / ゲーティング / 共焦点顕微鏡 / エキソサイトーシス / 量子放出 / 一分化可視化 / イメージング |
Research Abstract |
本研究の目標は、生きた細胞の機能を分子レベルで光学的に可視化することである。この目的に沿って、マイクロレンズを付けたニプコーディスク走査型共焦点顕微鏡法とレーザーを用いたエバネッセンス顕微鏡法の2つの光学イメージングの方法の応用を試みた。これによって、下のような2つの分子レベルの細胞反応の詳細を世界で初めて検出し、解析することができた。 1)クロマフィン細胞におけるカテコールアミンの開口放出の過程をリアルタイムの連続イメージとして捉えた。あらかじめキナクリン分子を分泌顆粒にロードし、これが個々の分泌顆粒から細胞外へ拡散し消失する過程として共焦点顕微鏡下にリアルタイムに捉えるのに成功した。この結果、これまで教科書的に信じられてきた開口放出の量子的な反応は実は正しくないことがわかった。開口そのものは量子的に起こるものの、顆粒内容の一部は細胞外に放出されずに顆粒内に留まり、顆粒は開口しても口がそのまま閉じて細胞膜からはずれることがあるのが明らかになり、顆粒のリサイクル過程に新たな経路が証明された。 2)つめガエル卵に発現させたKチャネルのゲート機構の活動を、単一分子レベルの蛍光変化のイメージとして捉えた。351番目のアミノ酸をシスティンに変異させたKチャネルのmRNAをカエル卵に注入し、発現したKチャネルにロダミン・マイレマイドを共有結合させて、膜電位固定条件下にエバネッセント光によって観察した。細胞膜上にほぼ量子的な蛍光退色を示す分子像が得られ、50%以上の大きさの蛍光信号を発してゲート動作をするところが捉えられた。これは、世界で初めての、生きた細胞における一分子イメージングの成功例である。 この研究は、細胞生理学分野の新しい発見をもたらしただけでなく、生きた細胞の中で活動する各種分子の活動を直接的に見るための新しい方法をもたらし、医学生物学の新分野が拓かれたといえる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 寺川 進: "ビデオ強化顕微鏡による生体可視化技術" 応用物理. 66(5). 444-449 (1997)
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[Publications] 寺川 進: "開口分泌現象のイメージング-コンピュータ画像解析" 生体の科学. 48. 205-211 (1997)
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[Publications] 寺川 進: "微分干渉顕微鏡" Medical Imaging Technology. 15. 702-708 (1997)
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[Publications] E.Suzaki: "Video-rate dynamics of exocytotic events associated with phagocytosis" Cell Motility and Cytoskeletons. 38. 215-228 (1997)
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[Publications] S.TERAKAWA: "Adrenal Chromattin Cell:archetype and exemplar of cellular signalling in secretory control." Hokkaido-University Press(ed.T.Kanno)(印刷中), (1998)
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[Publications] 寺川 進: "エキソサイトーシス(標準分子医化学" 医学書院(藤田道也 編), 4 (1997)