1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08557014
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Research Institution | GRADUATE SCHOOL OF PHARMACEUTICAL SCIENCES,THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
新井 洋由 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (40167987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 淳賢 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20250219)
井上 圭三 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30072937)
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Keywords | 酸素ストレス / ビタミンE / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
α-トコフェロール輸送蛋白質(αTTP)は体内ビタミンEレベルの調節因子であり、先天性ビタミンE欠乏症の原因遺伝子産物である。ビタミンEは脂溶性の抗酸化物質であり、生体膜成分をはじめとした脂質を酸素ストレスから防御する役割を果たしている。我々は新規酸素ストレスモデル動物の創成を目的とし、αTTPを遺伝的に欠損させたマウス(αTTPノックアウトマウス)の作製に着手した。その結果、本年度ついにαTTPノックアウトマウスの作製に成功した。αTTPノックアウトマウスは通常の食餌を与えていても生後3週間(離乳期)の時点ですでに血中ビタミンE値が検出できないレベルにまで低下していた。また、ヘテロ欠損体におけるαTTPの発現量は正常個体のちょうど半分であり、血中ビタミンE値もこれに応じて半分に低下していることが明らかになり、マウスにおいてもαTTPが体内ビタミンEレベルの調節因子であることが証明された。現在これらのノックアウトマウスのフェノタイプの変化を注意深く観察すると同時に、各種酸素ストレスに対する防御能についての検討、他の抗酸素ストレス作用をもつ酵素の誘導がおこっていないかどうか、また酸素ストレスが関係する可能性のある他の疾患モデルマウスとの掛け合わせ実験等を予定している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Arita,M.et al.: "Binding of α-tocopherylquinone,an oxidized from of δ-tocopherol toglutathione-S-transferase in the liver cytosol" FEBS Letters. 436. 424-426 (1998)
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[Publications] Hosomi,A.et al.: "Localization of δ-tocopherol transfer protein in rat brain" Neuroscience Letters. 256. 159-162 (1998)