1997 Fiscal Year Annual Research Report
多因子疾患の新しい遺伝解析法の開発と応用:糖尿病をモデルケースとして
Project/Area Number |
08557061
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 博司 大阪大学, 医学部, 助手 (20221062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 義彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
牧野 進 塩野義製薬(株)実験動物研究センター, センター長
宮崎 純一 大阪大学, 医学部, 教授 (10200156)
|
Keywords | 多因子疾患 / 遺伝 / 糖尿病 |
Research Abstract |
多因子疾患遺伝子のクローニングを効率よく行うための新たなストラテジーの開発を目的として、非近交系のコロニーから近交系化された疾患モデル動物のモデルケースとしてIDDMのモデルNODマウスを用いて解析を進めた。NODが由来した非近交系コロニーであるJcl:ICRから近交系化されている複数の系統をスクリーニングした結果、マウス第3染色体にマップされている強力な疾患感受性遺伝子Idd3およびIdd10の候補遺伝子であるインターロイキン2(112)および高親和性Fcガンマ受容体(Fcgr1)に関してNODと同一の塩基配列を有する系統を複数見いだした。これらの系統の第3染色体のハプロタイプを決定した結果、IIS系統に関してはいずれの候補遺伝子に関してもNODと同一の塩基配列であり、かつ周辺にNODとの選抜に使用可能な多型マーカーを見いだした。この系統の第3染色体をNODに導入したコンジェニックマウスの作製をゲノムスクリーニングを行いながら迅速に進めるスピードコンジェニックの手法を用いて進めた。その結果、N5世代において背景遺伝子が全てNODに置換され、第3染色体のIdd3およびIdd10がともにIIS由来のコンジェニックマウス、ならびに一方のみがIIS由来のコンジェニックマウスが完成した。これらヘテロ個体同士を交配してホモ個体を多数例作製し、各系統のIDDM発症率を検討中である。本研究で用いている手法は、全ての多因子疾患の遺伝解析に新たなストラテジーを提示し、多因子疾患原因遺伝子のクローニングを加速するものである。
|
-
[Publications] Shen,G-Q: "Asp905Tyr polymorphism of protein phosphatase 1G subunit gene in hypertension" Hypertension. 30. 236-239 (1997)
-
[Publications] Kawaguchi,Y: "Insulin gene region contributes to genetic susceptibility to,but may not to low incidence of, insulin dependent diabetes mellitus in Japanese" Biochemical and Biophysical Research Communication. 233. 283-287 (1997)
-
[Publications] Fujisawa,T: "Meta-analysis of association of insertion/deletion polymorphism of ACE gene with diabetic nephropathy and retinopathy" Diabetologia. 41. 47-53 (1998)
-
[Publications] Fu,J: "Association of distal chromosome 2q with IDDM in Japanese subjects" Diabetologia. 41. 228-232 (1998)