1997 Fiscal Year Annual Research Report
-HVJ-リポゾーム・レトロウイルス法による肝細胞へのin vivo 遺伝子導入
Project/Area Number |
08557062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 安史 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (10177537)
西田 誠 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
野崎 秀一 大阪大学, 医学部, 助手 (30252646)
山下 静也 大阪大学, 医学部, 助手 (60243242)
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Keywords | 遺伝子導入 / 細胞融合 / リポゾーム / LDL受容体 / レトロウイルス / センダイウイルス |
Research Abstract |
まず遺伝子導入法の確立および効率を検討するため、細胞融合能を持つHVJ(センダイウイルス)とDNAを核内に効率良く移行させる核蛋白(HMG1)とを組み合わせたリポゾームにマーカー遺伝子(β-galactosidase)を封入し、ラットおよびマウスに経門脈的または肝被膜下に直接投与した。最終的に約5-10%の肝細胞において1〜2週間のマーカー遺伝子の発現が確認された。次に本法を利用してラット生体の肝臓にヒトLDL受容体遺伝子を導入すると、約20%の血中コレステロールの低下を認め、ラット生体肝臓に対する本法によるLDL受容体遺伝子導入が可能であることが証明されたが、肝組織の免疫染色で確認したところ外来ヒトLDL受容体遺伝子の発現はなお不十分であると思われた。そこで発現ベクターをpMy3からより小さく(7.5Kb)、chicken β actin promotorを有するpCL1に変更し、その遺伝子導入効率が改善することを確認した上で、家族性高コレステロール血症のモデル動物であるWHHLラビットに投与したところ約20%の血中総コレステロールの低下を認めた。しかし、対照としてのHVJ-リポゾームのみを投与したラビットにおいても同様かやや軽度のコレステロールの低下を認めたため、現在Northern blotting、RNase protection assay、肝細胞免疫染色等でこのラビットにおけるLDL受容体の発現形式、発現量を検討中であるとともに、HVJ-リポゾームによるコレステロール低下作用の機序も検討中である。また、従来米国においてex vivoの遺伝子治療に使用されていたレトロウイルスをこのHVJ-リポゾームに組み込むことによってin vivoにおいてレトロウイルスを肝臓へ効率良く導入する方法も開発中である。これはレトロウイルス遺伝子をHVJ-リポゾームに封入することによって、従来分裂細胞に限定されていたレトロウイルスによる遺伝子導入を静止期にある肝細胞にin vivoで導入しようとせんものである。今後、ヒトへの応用に向けてLDLノックアウトマウス、WHHLラビットにLDL受容体遺伝子の導入を試みる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Matsuzawa, S.Yamashita et al.: "Choresteryl ester transfer protein deficiency : virtue or vice?" Atherosclerosis (in press).
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[Publications] S.Yamashita, Y.Matsuzawa et al.: "Molecular genetics of plasma cholesteryl ester transfer protein" Curr.Opin.Lipidol.8. 101-110 (1997)
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[Publications] K.Yanagi, Y.Matsuzawa et al.: "Increased serum remnant lipoproteins in patients with apolipoprotein E7 (ApoESuita)" Atehrosclerosis. 131. 49-58 (1997)
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[Publications] K.Yanagi, Y.Matsuzawa et al.: "Characteristics of coronary artery disease and lipoprotein abnormalities in patiants with heterozygous familial hypercholestrolemia associated with diabetes mellitus or impaired glucose tolerance" Atherosclesis. 132. 43-51 (1997)
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[Publications] M.Ishigami, Y.Matsuzawa et al.: "High-density lipoproteins from probucol-treated patients have increased capacity to promote cholesterol efflux from mouse peritoneal macrophages loaded with acetylated low-density lipoproteins" Eur.J.Clin.Invest.27. 285-292 (1997)
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[Publications] E.Shinohara, Y.Matsuzawa et al.: "Visceral fat accumulation as an important risk factor for obstructive sleep apnea syndrome in obese subjects" J.Int.Med.241. 11-18 (1997)