1997 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞としての脂肪細胞ーその個体における役割ー(PPARγ2ノックアウトマウスの作製)
Project/Area Number |
08557063
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 大能 三共株式会社, 第一生物研究所, 所次長
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Keywords | PPARγ / 3T3-L1脂肪細胞 / ドミナントネガティブ変異体 |
Research Abstract |
PPARγ遺伝子のノックアウトマウス作製のために、マウスPPARγ遺伝子をクローニングし、その第一エクソンを中心に構造解析を行った。その結果を基に、ターゲッティングベクターを構築した。しかしながら、この時点でPPARγ遺伝子のノックアウトにより、胎児の時期に死亡することが他の研究室の成績から明らかにされた。従って、このような方法により、PPARγの機能を低下させるのは無理と考えた。そこでPPARγのdominant-negative型の変異体をアデノウィルスベクターを用いて発現する方法を考えた。すなわち、PPARγのN端側を欠落したΔN,C端側をごく僅か欠落したΔC、リガンド結合部位を削除したΔLの3つの変異体を作製して、3T3ーL1preadipocyteヘアデノウィルスベクターを用いて発現し、分化への影響を検討した。その結果、ΔNPPARγは3T3ーL1脂肪細胞への分化に関しほとんど影響を与えないこと、ΔCPPARγは3T3-L1脂肪細胞への分化を軽度ではあるが阻害すること、ΔLPPARγは3T3ーL1脂肪細胞への分化を軽度ではあるが阻害することを見い出した。ΔCPPARγとΔLPPARγのいずれもリガンドとの結合能を持たないこと、ΔCPPARγはDNAとの結合能を持つがΔLPPARγはDNAとの結合能も持たないことが明らかとなった。従って、ΔCPPARγが、dominant-negative型の変異体として働きうる可能性が示唆された。PPARγは脂肪細胞の分化以外にも各種の機能を持つことが知られているが、それらの作用にもΔCPPARγがdominant-negativeに働きうるか、あるいはアデノウィルスベクターを使用してこれらの変異体を個体の各臓器に発現して、個体のレベルでのインスリン感受性あるいはチアゾリジン系薬剤の効果を今後検討する予定である。
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