1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08557064
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 栄二郎 日本製薬(株), 研究開発本部・東京研究部, 研究員
田辺 正孝 日本製薬(株), 研究開発本部・東京研究部, 主幹研究員
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
井戸 正流 三重大学, 医学部, 講師 (90167263)
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Keywords | プロテインS / 抗血栓薬 / 抗炎症薬 / プロテインS受容体 / 肝障害動物実験モデル / 肝類洞内皮 / ELISA / 活性評価法の開発 |
Research Abstract |
本研究課題では、抗血栓作用や抗炎症作用など多様な生物活性を有するプロテインS(PS)を血栓症を始めとする血管障害性疾患に対する治療薬として開発するため、【1】ヒト血漿から高純度のPSを大量に精製する方法の開発、【2】PSの抗原量と生物活性を正確に測定するシステムの開発、【3】PSのin vivoでの活性を評価する疾患モデルの開発、【4】PSの示す種々の生物活性の分子機構を解明する研究、の4項目について、大学と企業の研究チームが合同で基礎的研究を実施する。 また、本年度は計画の最終年度に当たるため、各項目を終了する方向で努力を行ったが、新たな発見もあり、一部の研究は今後も継続することにした。各項目の研究成果は、【1】効率的に高純度のPSを精製するためのモノクローナル抗PS抗体を用いたPS精製法をほぼ確立した(日本製薬グループ担当)。【2】遊離型PSとPS-C4BP複合体型を分別定量するELISAとPSの生物活性評価法(AP℃コファクター活性、プロトロンビナーゼ阻害活性の測定法)をほぼ確立した(三重大学グループ担当)。【3】PSの抗血栓・抗炎症作用をin vivoで評価するため、実験的術後感染による肝障害ラットモデルを開発し、肝類洞内皮細胞でのPSの産生と感染によるPS産生の低下を認め、本疾患モデルの有用性を示唆した(三重大学グループ担当)。【4】PSの作用機構を分子細胞レベルで解明する研究の一環として、内皮細胞表面からのPS受容体のクローニングを試みた。この研究は未だ終了していないため、今後も研究を継続する。なお、研究費の大半は研究の遂行に必要な消耗品費等の購入に当てた。最終年度にあたり、これまでの研究成果をまとめ公表する。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Zohu,H.: "Prothrombin and its derivatives stimulate motility of melanoma cells." Thromb.Haemostas.80. 407-412 (1998)
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[Publications] Wakita,T.: "Molecular cloning, tissue distribution and androgen regulation of rat protein C inhibitor." FEBS.Lett.429. 263-268 (1998)
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[Publications] Hayashi,T.: "Regulation of the human protein C inhibitor gene expression in HepG2 cells: Role of Sp1 and AP2." Biochem.J.332. 573-582 (1998)
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[Publications] Deguchi,H.: "Adenosine regulates tissue factor expression on the endothelial cells." Thromb.Res.91. 57-64 (1998)
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[Publications] Nishioka,J.: "Protein C inhibitor secreted from activated platelets efficiently in hibits activated protein C on phosphatidy-lethanol amine of platelet membrane and microvesicles." J.Biol.Chem.273. 11281-11287 (1998)
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[Publications] Kobayashi,H.: "Decreased intra-alveolar activation of the protein C anticoagulant system in patients with interstitial lung disease." Am.J.Resp.Crit.Care Med.157. 1850-1854 (1998)
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[Publications] 鈴木 宏治: "血液" 先端医学社, 241 (1999)
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[Publications] 鈴木 宏治: "実践臨床検査医学" 文光堂, 489 (1998)